補助で衰退した日本の半導体産業をTSMC誘致で救うことはできない

周回遅れの技術、得するのはソニーだけ
野口 悠紀雄 プロフィール

アメリカ政府も、TSMCの工場を誘致するため補助金を支出する。また、インテルがオハイオ州に建設する新工場にも、補助金を支出する計画だ。しかし、これは、5nmの最先端プロセスだ。補助金の支出が必要かどうか疑問に思うが、理解できなくもない。

これらと日本の誘致計画とは、まったく異質のものだ。

ソニーに対する補助?

では、なぜ4000億円もの補助金を出すのか? その疑問を解く鍵は、隣にあるソニーの工場にある。ここでソニーは、イメージセンサーを生産している。これは、ロジック半導体と組になって作動する。

 

ところが、ロジック半導体をソニーは外部から調達している。そして、後述する最近の半導体不足によって。この供給が不安定になっている。ソニーが自社でロジック半導体の工場を作ると、コストがかかる。国が支援してくれれば、助かる。

すると、結局のところ、国が支出する補助金は、ソニーに対する補助ということにならないだろうか?

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