2022.02.03
ウクライナ、プーチンが「アメリカをまったく恐れない」本当のワケ
「アメリカの敗北」を知っている2021年末に緊張が走ったウクライナ国境のロシア軍の集結のニュースは、年が明けても世界を揺るがせ続けている。ロシアとアメリカなど各国との駆け引きが続いているが、プーチン大統領がここまで「強気」になれるのには意外な背景がある――HSBC証券社長として世界金融の裏側を見てきた立澤賢一氏が、日本では報じられないその最前線をレポートする。

ウクライナに軍事侵攻「ロシアの本当の狙い」
アメリカのワシントンポスト紙が、「ロシアがウクライナに対する大規模な軍事攻撃を計画中」と報じたのは、2021年12月3日のことでした。
12月8日にはプーチン大統領とアメリカのバイデン大統領のオンライン会談が行われ、その席上で、プーチン大統領は「NATOの東方拡大や周辺国へのミサイル配備をしない確証」を要求したと伝えられています。
「NATOの東方拡大」とは、ここでは要するに「ウクライナをNATOに加盟させるな」ということです。