2022.02.17
# 飲食

このままでは日本料理が消滅する…?銀座の「世界的料理人」が危機感を覚えるワケ

あらゆる伝統文化も一緒に衰退していく
東京・銀座の割烹「小十」をはじめ、パリ、ニューヨークにも出店するなど、日本料理の旗手として世界的に活躍している奥田透さん。著書『日本料理は、なぜ世界から絶賛されるのか』は、プロフェッショナルならではの美学と仕事論がたっぷり詰まった一冊だ。そんな奥田さんは今、日本料理の将来に危機感を覚えているという。このままでは、遠くない時期に日本料理がなくなってしまうかもしれない……。その深刻な現実について語ってもらった。

人気が低迷している日本料理

私が今、一番危機感を覚えているのは、そう遠くない時期に日本料理がなくなってしまうのではないかということです。もちろん、ゼロになることはないと思いますが、かなり少なくなるのではないかと、そして、クオリティも下がっていくのではないかと思います。

お寿司は海外でも人気があるので、もしかしたら発展する可能性があるかもしれませんが、天ぷら、蕎麦、うどん、和菓子などは後継者も少なく、和食も含めて人気のないものになっています。

写真はイメージです/Photo by iStock

近年、日本の料理業界では日本料理とフランス料理、イタリア料理、中華料理が全部並列にされています。

さらに言うと、フランス料理とイタリア料理、洋菓子のパティシエに人気があり、料理の専門誌や女性誌なども日本料理や寿司、天ぷら、蕎麦、和菓子が表紙を飾ることはなく、テレビのドラマではフランス料理で三つ星を狙うストーリーが高視聴率を得ています。なぜこれが日本料理や寿司、天ぷらではなかったのかが残念に思えてなりません。

日本の調理師学校では、フランス料理、イタリア料理の西洋料理を専攻する生徒が8割、9割を占め、日本料理と中華料理が残りの1割、2割というのが現状です。

それとは別に、西洋菓子のパティシエを志望する生徒は数えきれないほどたくさんいます。

2013年、和食がユネスコ無形文化遺産になったことと、あとは海外からの日本料理を学びたいという留学生が増えたことで、比率は少し増えてきたそうですが、まだまだ日本料理に人気があるとは言えません。

日本の調理師学校の仕組みを変えなければ今後の日本料理、寿司、天ぷら、蕎麦、うどん、和菓子をやりたいという、若い料理人はいなくなり、未来は危機的状況にあると思います。

 

そんな最中、5年前に寿司と和食だけに特化した調理師学校が開校されるということで、顧問をやりませんか? とのお声がけをいただき、現在は調理師学校にも足を運んでいます。

開校当時、寿司と和食だけの調理師学校ができたということで、たくさんのメディアから、なぜ寿司と和食だけなのかとインタビューを受けました。

日本の調理師学校で寿司と和食だけを教えることが、なぜこんなに話題になるのか? 逆に日本の調理師学校はなぜ西洋料理ばかりを伝えなければならないのか、私は理解に苦しみます。

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