2022.02.03
ウクライナ、プーチンに「アメリカとヨーロッパが敗北する」危ない事情
文句を言えないし、手も出せない…ロシアによるウクライナ侵攻への緊張感が日増しに高まり、世界中を震撼させている。前編記事『ウクライナ、プーチンが「アメリカをまったく恐れない」本当のワケ』では、各国との駆け引きでプーチン大統領がここまで「強気」になれる背景には、「アメリカの敗北」という状況があるということをレポートした。しかし、プーチンが強気になれるもう一つの「裏側」は「脱炭素」というキーワードから読み取れるという。HSBC証券社長として世界金融の裏側を見てきた立澤賢一氏が、いま世界の最前線で起きている「本当のこと」をレポートする。

「ウクライナ侵攻」と「脱炭素」の意外な関係
プーチン大統領はいま、「バイデン政権の弱体化」を見抜いて、軍事的な駆け引きを仕掛けてきています。しかし、それだけではありません。
プーチン大統領が強気になれるもう一つの「裏側」を読み解くには、「脱炭素」をめぐる世界の潮流を理解しないといけません。
「脱炭素」と言えば、石炭や石油などの化石燃料の使用量を減らし、二酸化炭素の排出量を減らしていくこと。基本的に「環境対策」あるいは「経済」問題です。
なぜ、「脱炭素」が「ウクライナへの軍事侵攻」と関係するのでしょうか?
そのカギは「再生可能エネルギー」と「天然ガス」にあります。