美しい自然を守りながら、より自由な社会、便利な生活を実現したい。そんな思いでSDGsに取り組む徳島の自治体、企業の挑戦を紹介します。

お話を伺ったのは……
高木超 Cosmo Takagi
慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科特任助教。複数の自治体のSDGsアドバイザーとしても活躍する。著書に『SDGs×自治体 実践ガイドブック 現場で活かせる知識と手法』(学芸出版社)など。

光ブロードバンドを武器に
目指せスマートシティ化

今やほとんどの人が一度は目にしたことがあるだろう、SDGsの17の目標。正しく意味を理解できているだろうか。

「この17ある“ワッペン”をいくつ集められるか、ではないんです。達成した目標を自分たちの強みと認識し、その力を派生させてほかの問題解決に活かすことが重要です。目標を達成したその先に何ができるか、を考えてほしい」

そう語るのはSDGsの研究を行う慶大大学院助教・高木超さん。全国各地の自治体の取り組みに精通している高木さんから見て、徳島県が行うSDGsの強みとはどんなところだろう。

「特徴のひとつとして、光ブロードバンドの環境が整っていることがあげられます。山間の町を含めほぼ全域でスムーズにインターネットを使うことができる。これはSDGs17の目標の『9産業と技術革新の基盤をつくろう』にあたります。この光ブロードバンドをさまざまな分野で活用することが、サステナブルな徳島の実現につながっています。実際、IT企業のサテライトオフィスができたり、クリエイターなどの移住者が増加したりしたことは、『8 働きがいも経済成長も』につながっていますね」

光ブロードバンドがあれば、山間の小さな町に遠隔医療を届けることや(「3 すべての人に健康と福祉を」)、県外や国外のオンライン授業を誰でも受けられる環境を作ることが可能になる(「4 質の高い教育をみんなに」)。

 

徳島県が“とくに解決したい目標”のひとつにあげているのは、「5 ジェンダーの平等を実現しよう」だ。徳島は女性社長が多いことで知られているが、女性議員の割合を見てみると約11%と少なく、24の市町村のうち女性議員が一人もいない自治体が5つある。

SDGsの観点から現状をとらえ直すことで、これまでも地域に存在していた男女格差などを可視化し、あらためて考える機会になる。「ジェンダーへの無意識の思いこみをもっていないか、話し合う機会を設けてみてはいかがでしょうか」、と高木さんはつづける。

「家事労働を家庭内で分担することに加え、光ブロードバンド環境を活用して、遠隔操作可能な介護ロボットや、子どもの送迎をしてくれる自動運転車など、サービスや情報インフラで問題を解決できるかもしれません。その素地がある徳島県は情報通信技術をもとに、持続可能なまちづくりを実現する可能性を秘めているのではないでしょうか」

いまやSDGs17の目標が世界の共通言語となったことで、自治体や企業に何ができるのか、どんな活動をしているかが私たちにも理解しやすくなった。SDGsを「ツール」として上手に活用し、スマートシティ化していけるかどうかが、徳島の、日本の未来につながっていく。