マンガ/伊藤理佐 文/FRaUweb

コロナで再注目された「ひとりご飯」の問題点

コロナ禍でどうしても大勢で食事をする機会が少なくなった。
ひとりで摂る食事が増えたという人は多いという。それまでしなかった料理を楽しむ人もいるけれど、問題点も見えてきた。

最もよく言われている問題が、栄養の偏り。一人分であれもこれもと注文することは難しく、バランスよく様々な食を取ることが難しい。
そしてもう一つが、早く食べすぎてしまうこと。早く食べると量も多く食べてしまい、肥満や糖尿につながりかねない。
栄養の偏りがなく、それでも美味しく楽しく健康にひとりご飯、ひとり飲みをするにはどんなポイントがあるのだろうか。

ひとりで美味しくヘルシーに飲むには…Photo by iStock

その「ひとり飲みの極意」のヒントがあるのが、伊藤理佐さんのショートコメディ漫画『おいピータン!!』8巻1話の「おひとりさま」である。

 

カッコいい「ひとり飲み」の女性とは

伊藤理佐さんは講談社漫画賞や手塚治虫賞を受賞しているショートコメディの名手だ。現在ドラマが放送されているドラマ『おいハンサム!!』(フジテレビ/東海テレビ 土曜日23時40分~)は、『おいピータン!!』『渡る世間はオヤジばかり』を中心に、伊藤理佐さんのマンガのエピソードを踏まえ、オリジナルで脚本が生み出されている。恋と家族とゴハンをテーマにした令和のファミリードラマだ。主人公は吉田鋼太郎さんが演じる伊藤源太郎。伊藤家はMEGUMIさんが演じる母親と、木南晴夏さん、佐久間由衣さん、武田玲奈さん演じる3姉妹の5人家族である。

中でも、木南晴夏さん演じる長女の由香の「ひとり飲み」はなかなかカッコいい。思わずお店で一緒になった年下の男性が惹かれて声をかけてしまうほとである。そんな由香のベースとなっているであろう女性の「ひとり飲みエピソード」が描かれているのが、『おいピータン!!』8巻1話の「おひとりさま」なのだ。

『おいピータン!!』シリーズの主人公は、ドラマでは吉田さん演じる伊藤源太郎の仕事相手で、由香の元カレとして登場する「大森さん」である。眼鏡をかけ、ぽっちゃりして食には目がない。しかしその「目がない」は単に大ぐらいなのではなく、「薬味もお酒と楽しみつくさないともったいない」「焼き鳥は串から抜くと美味しい肉汁が出てしまうから串から直接食べたほうがいい」と熱く語るような、食を愛する「目のなさ」である。由香が大森さんの影響を受け、今いい感じのひとり飲みをするようになったのであろうことは想像できる。

では一体どんな飲み方なのだろうか。

「その場だからできる食べ方」を楽しむ

居酒屋でばったり出会った大森さんは、マグロの山かけ、そしてヒジキ煮をつまみに焼酎のお湯割りを飲んでいる女性を見て心の声で言う。

「お、おまえ、『おひとりさま』が進化してるぞ!」
「炭酸(ビール)のめなくなってるだろ!?」
「ここではあったかいの(お湯割り)一杯って決めてるな!?」
「のみやで繊維質とろうと思ってるだろ?
「っていうか唐揚げとか一人前だと胸がやけるんだろ!?」
「……あとこれから家に帰って焼酎か泡盛のむだろ!?」

(c)伊藤理佐/講談社『おいピータン!!』8巻より

どうやらすべて図星のようだ。
つまりはちょっと外食を楽しみたいときに、ひとりで作るにはなかなか量が難しい煮物などをつまみに楽しみ、続きは家で飲むようである。
そして技はさらに続く。

「まずコンビニに寄って幕の内弁当買うだろ!?」
「『実はお弁当っておつまみなのよねー』とか言って、『またどーでもいいと思っているポテトサラダと昆布のつくだ煮をまぜるとうまいんだ』とか言うんだろ!?」
「『残ったご飯(&おかず)はあしたの朝ごはん』なんだろ!?」

(c)伊藤理佐/講談社『おいピータン!!』8巻より

これでわかるのは、上手な「ひとり飲み」は、1ヵ所で大量に頼むのではなく、目的を達したら場所を変え、少しずつ楽しんでいくスタイルだということ。確かにそうすることで食べすぎ・飲みすぎも抑えられるし、お金を使いすぎる心配もない。料理を選べば当然ヘルシーにもできる。

さらに「その場だからこそ楽しめる食べ方」というのがポイントのようだ。
そこのお店の美味しい煮物はそのお店でしか食べられない。幕の内弁当をちょっとだけつまんで残りは翌朝、なんてのは自宅でしかできない。
せっかくならそこで出会ったことを大切にする。しかも自分勝手な頼み方、食べ方はひとりだからできること。
そう考えるとどんな「ひとり飲み」「ひとりご飯」をするかを考えるだけで、ちょっとワクワクしてくるのである。

さて、「おひとりさま」のマンガには続きがある。主人公の女性が河岸を変えてどんなひとり飲みをするのかを、ぜひ試し読みでご確認いただきたい。