旅作家の歩りえこさんが、世界94カ国を旅していた頃に出会った人や現地の様子などを綴っているFRaUweb連載「世界94カ国で出会った男たち」。今回は、「人は何のために生きるのか?」「幸せとは?」を考えるきっかけとなった、16年前に訪れたラオスでのエピソードを振り返ります。

 

人は何のために生きているのか?

人間は何のために生まれて何のために生きるのか。

朝起きて、ご飯を食べて歯を磨いて仕事へ行き、電車に乗って帰宅をして夜ご飯を食べてお風呂に入り、テレビやネットを見つつ、歯を磨いて寝る。「生きる」ということは基本的に忙しい。毎日生きるということは結構やることがたくさんあるし、日々のルーティンだけでも一日があっという間に終わってしまう。

時には狂おしいほどの恋愛をすることもあるし、激しい怒りや立ち直れないほどの悲しみを感じることもあるだろう。人生でどんな荒波が起ころうとも、なんやかんやで私たちは日々生きているし、息をしている。

生きるために働いているのか? 働くために生きているのか? 忙しい日々が続くとそれすらも分からなくなることがあるし、長い人生で一度くらいは消えてしまいたくなるほど辛いこともあると思う。

人間は考えることができるからこそ、喜びや悲しみを感じたり、落ち込んだり、自信がなくなったり、心が病んでしまったり、日々刻々と気持ちが変化する。

この2年以上続くコロナ禍で生活環境が変わり、外出しづらくなったことで普段以上に物事を深く哲学的に考えてしまう人もいるかもしれない。その考えにはっきりとした答えを出すのはとても難しいことだと思う。だからこそ、人それぞれの考え方があるし、さまざまな宗教というものも存在するのではないだろうか。

東南アジア最大の河川・メコン川。日本語にすると「母なる川」という意味。写真提供/歩りえこ