友人や家族のパートナーを見て、つい心配になってしまうことはないだろうか。恋愛はたしかに自由だけれど、「いや、でも、その相手とつきあって、あなた大丈夫?」とつい言いたくなってしまうような経験だ。

しかも、三姉妹全員そうだったら、父親はいったいどうなってしまうだろうか。2022年冬ドラマで三姉妹の恋愛模様が気になるとSNSでも話題なのが、ドラマ『おいハンサム!!』(フジテレビ/東海テレビ 土曜日23時40分~)である。伊藤理佐さんの様々な漫画の要素を踏まえて『ランチの女王』の脚本家がオリジナルに仕上げているそのドラマで描かれている三姉妹の「ヤバい」恋愛模様とは……。

原作マンガと合わせてご紹介しよう。

マンガ/伊藤理佐 文/FRaUweb

吉田鋼太郎さん演じる父・伊藤源太郎、MEGUMIさん演じる母、そして長女の由香(木南晴夏さん)、次女の里香(佐久間由衣さん)、三女の美香(武田玲奈さん)が伊藤家だ(C)東海テレビ/日本映画放送
 

ことごとくダメ男にひっかかる三姉妹…

温かい家庭を舞台にしながら、恋がからむとハラハラの展開を見せている『おいハンサム!!』。吉田鋼太郎さん演じる主人公・伊藤源太郎の家には、三人の娘たちがいる。

木南晴夏さん演じる長女の由香は30歳で独身、先日不倫相手の家に殴り込みをして別れたばかり。その前に付き合っていたのは、実は父・源太郎の仕事相手で、食に対する愛は誰にも負けないぽっちゃり気味の大森さんだ。由香は大森さんに鍛えられ、かっこよく美味しくひとり飲みのできる名手になっている。先日は仕事のできる優しい年下イケメンから告白されたが、「あなたは完璧すぎるの」と断ってしまった。そして先日さえない路上ライブの男性と出会う。

年下で仕事のできる素敵な男性に告白される長女・由香 (C)東海テレビ/日本映画放送
キラキラとした目で告白してくる年下イケメン青山(奥野壮さん)…(C)東海テレビ/日本映画放送

佐久間由衣さん演じる次女の里香は、3姉妹唯一の既婚者だ。作ったご飯に食べる前から塩コショウする夫にモヤっとしながら、不満をはっきり言えずにいる関係。しかも夫が高校時代の元カノと浮気をしていることを知ってしまった。一度はもう会わないと夫から謝られたけれど、里香がいないうちに体重計に自分の身長体重を登録するというマウンティング浮気相手と切れていないことを知り、実家に帰ってきた。

里香と夫の大輔(桐山漣さん)はぎこちない関係…(C)東海テレビ/日本映画放送

武田玲奈さん演じる三女の美香は、マンガ家の夢を抱えるヒモ男とずっと暮らしていた。しかし合コンで超イケメンの学と出会い、ヒモ男との決別を決める。

マンガの才能もないとしか思えないヒモ男・ユウジ(須藤蓮さん)と取っ組み合いもしてきた美香 (C)東海テレビ/日本映画放送

美香はさっそく学にプロポーズをされるのだが、彼は己の理想に合わせて女性を型にはめようとするモラハラ気質。常に美香をチェックして自分の思うとおりになってほしいと口に出す。洋服チェック、考え方チェック、歩く位置まで指定される。そしてプロポーズが断られるはずもないと自信満々……。

紳士的でイケメン、理想的に見える学(高杉真宙さん)はイエグモを即座に殺しちゃうタイプ (C)東海テレビ/日本映画放送

こう書くだけで「あちゃー」と思う人は少なくないのではないだろうか。

『ランチの女王』脚本家が描く伊藤理佐ワールド

『おいハンサム!!』は、伊藤理佐さんのマンガ『おいピータン!!』『渡る世間はオヤジばかり』などを原作とし、『ランチの女王』『闇金ウシジマくん』のプロデューサー・脚本などをつとめた山口雅俊さんがオリジナルで脚本を書いているドラマ。令和版の寺内貫太郎一家と言うだけあり、ほっこりするファミリードラマにして、リアルでシュールである。

そのシュールさこそ、伊藤理佐ワールドの真骨頂でもある。伊藤さんは手塚治虫漫画賞など多くの賞も受賞しているショートコメディの名手で、原作となっている漫画は『おいピータン!!』をはじめ、食を中心にして日々の「あるある」を描き出し、ぷっと笑えてときにグサッと刺さる。自分がぼんやり「ヤバいかな、ヤバいよな」と思っているようなところをつきつけられながら笑えるのだ。

「実は彼の言葉はモラハラかもって思ってない?」
「冷蔵庫の中身、賞味期限切れの材料を見て見ぬふりしてるよね?」
「夫がまだ何も食べない料理に塩ふるの、ムカついてるよね?」

げっ、そうなんだよ、実は気になってたんだよ、という「目を背けていた現実」に向き合わせてくれる