佐藤操先生とのキス&クライに感極まった

私は高校時代までフィギュアスケートをやっていて、横浜銀行アイスアリーナ(当時は神奈川スケートクラブ)で、佐藤操先生に師事いただいていました。私はジャンプどころかスピンでもしょっちゅう転ぶような選手だったので、「スケートをやっていた」と口にすることすら申し訳ない気持ちなのですが、操先生の振付はそんな低レベルの私にも輝く瞬間を与えてくれました。

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操先生の振付は、今では全日本でも世界大会でも見られるようになりましたが、必ず記憶に残る動きが入っています。当時友人が滑っていた「007」のかっこいいオープニングや、ピーターパンが空を指さしてまるでネバーランドに向かって飛んでいくような動きなどが、20年以降経った今でも新鮮に思い出されます。私は技術的には低レベルでしたが、踊り心があると言ってくださる方がいて、操先生はその踊り心を前面に出した、私なりの華のあるプログラムを作ってくれました。

そんな操先生がキス&クライに座り、国際ジュニア大会を次々に優勝していった鍵山優真選手を見たときには、感極まる思いがありました。

鍵山選手のコーチはお父様の鍵山正和さんですが、当時は国際大会に同行できないご体調だったそうで、振付師、また表現面を担当するコーチである操先生が同行されていたそうです。操先生とのつながりから、勝手に鍵山選手には近しい感覚を持って応援してしまう部分があるのです。

鍵山選手を知る人はみな、彼の優しさや明るさについて話します。今回の北京五輪でも同世代の日本選手達からの応援が絶えず、鍵山選手がファンだけでなく、実際に彼を知る周囲からいかに愛されているかがよくわかりました

鍵山選手とコーチでお父様の鍵山正和さん。キス&クライでのやり取りが何とも温かい。photo/Getty images