2022.02.17

80歳の夫婦が「老人ホームへの入居を拒否」、やがて本人も家族も「大後悔」した理由

老後、適切に高齢者施設に入ることができれば、「生活の質」を高く保った人生を送ることができることは言うまでもありません。一方で、選択ミスをしてしまうと、老後の生活が大変なものになってしまうこともありえます。

以下では、高齢者施設に「入らなかった」ために、結果としてご家族が大きな後悔を抱えてしまった事例を、高齢期の住まい探しコンサルなどをおこなっているFPの岡本典子さんが紹介します。

「老人ホームには入りたくない」

現在より「老人ホーム」入居に抵抗があった15年ほど前の事例です。当時、「介護」は徐々に社会問題としてクローズアップされてきつつありましたが、高齢者世代にはまだまだ自分事として受け止められておらず、多くの高齢者がしっかりとした判断を下せる状況ではありませんでした。

これは、そんな状況で起きた一例です。母親の「老人ホームには入りたくない」という強い意思を尊重した長男の決断が、結果的には次々と良からぬ事態に発展したのです。

〔PHOTO〕iStock
 

山田宏さん、陽子さん夫妻(ともに仮名、以下同)は、ともに80歳で関西在住。55歳の長女・文子さんとともに、広い庭付き一戸建てで暮らしていました。

ガタイの大きな宏さんは2年前に脳梗塞を起こしたことから歩行困難となり、車いすも利用する状態で、「要介護2」の認定を受けていました。認知症については、軽い症状が見られるという程度で、食事と排泄は自分でできていたそうです。

宏さんは、訪問介護は利用せず、デイサービスを使っていました。週2回、送迎付きでデイサービスに通い、入浴し、利用者みんなで食べるランチを楽しみに生活していたといいます。

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