2022.02.20
# 企業・経営

ASMLーゴミ捨て場に生まれた企業が世界の半導体製造を制覇した

技術力がニコン・キヤノンの躓きの石
野口 悠紀雄 プロフィール

かつてのニコン、キヤノンの優位をASMLが崩した

半導体露光装置は、もともとは、日本の得意分野だった。ニコンが1980年にはじめて国産化し、1990年にはシェアが世界一になった。

キヤノンも参入し、1995年ごろまで、ニコンとキヤノンで世界の70~75%のシェアを占めた。

ASMLの最初の製品は、やはり半導体露光装置だった。しかし、この時代、キヤノンやニコンは、ゴミ捨て場に誕生した会社のことなど、歯牙にも掛けなかっただろう。

 

しかし、ニコン・キヤノンのシェアは、90年代後半に低下していった。その半面で、1990年には10%にも満たなかったASMLのシェアは、1995年には14%にまで上昇、2000年には30%になった。

2010年頃には、ASMLのシェアが約8割、ニコンは約2割と逆転した。そして、キヤノンはEUV露光装置分野から撤退した。ニコンも、2010年代初頭に、EUV露光装置の開発から撤退した。

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