もしロシアがウクライナに侵攻する場合、「ウクライナ領土にいるロシア国民を保護するため」といった「理由(大義名分)」の下になされることになります。
それが「でっちあげ」の場合もあるでしょうが、とにかく、名目上だけでも「戦争の大義名分」が必要なのです。
一方、アメリカにはウクライナの紛争に介入する「理由」がありません。

ウクライナは将来的なNATO加盟を目指していますが、現時点ではNATO加盟国ではありません。また、アメリカと2国間の安全保障条約を結んでいるわけでもありません。
そのため、もしウクライナで戦争が勃発したとしても、アメリカをはじめ、NATO諸国には、これに軍事的に介入する理由がないのです。
もし手段があるとすれば、国連の安全保障理事会で、国連軍の派遣が決議される場合でしょうが、安保理の常任理事国にロシア、中国が入っている状況では、それは「確実に有り得ない」と言えます。
西側はロシアに対して「経済制裁」をちらつかせていますが、逆に言えば、軍事的に対抗する手段がないと、認めたも同然です。そのため、ある意味「圧力」でさえなく、プーチン大統領に「安心感」を提供しただけとさえ言えます。