有酸素運動は「週に3回」
運動は主に有酸素運動、筋力トレーニングに分けられます。これに加えてストレッチやバランストレーニングも比較されることがありますが、今回は有酸素運動と筋力トレーニングについて考えます。
有酸素運動というとウォーキングやジョギング、水泳などが挙げられます。有酸素運動の目的は全身の筋肉のエネルギー消費です。そのため心拍数があがる程度の運動負荷で、ある程度の時間、運動を継続する必要があります。このような運動強度、運動時間に加えて、「週に3回行う」といった運動頻度も有酸素運動を行う上では重要になります。
一方で筋トレの目的は特定の筋肉にストレスをかけることです。普段よりも筋肉にストレスをかけることで筋肉量や筋力の増加を目指します。筋トレは一般化しにくいため運動や身体活動の指標となりにくいのですが、筋肉は使わなければ加齢によって衰えていきます。ずっと寝ていれば寝ているのに必要な筋肉だけになりますし、走っていなければ走るのに必要な筋肉は衰えていきます。
さらに最近では、高強度インターバルトレーニング(HIIT:High Intensity Interval Training)も広がってきています。これは負荷の高い運動と小休憩(インターバル)を交互に繰り返すトレーニング方法で、短時間で効果が得られる方法として行われることが多くなってきました。
病院では骨折をきっかけに歩かなくなり、結果的に寝たきりとなってしまう方も多くいます。有酸素運動と筋トレはどちらか一方を行うのではなく、どちらも行えると理想的ですが、運動というと多くの人が有酸素運動をイメージされます。そのため意識的に筋トレを行うようにしていきましょう。
運動を「自分でやる」という行動が大切なワケ
有酸素運動や筋トレなどの運動および身体活動は健康な生活を送る上で欠かせないものです。しかしなかなか重い腰をあげられないのが正直なところでしょう。それでも私は運動することを勧めています。
何故なら、「運動は自分でやるしかない」からです。確かにリハビリなどは人が手伝って動かすことで関節の動く範囲が広くなるなどの効果があります。しかし関節が他の人によって動かされる範囲と自分自身で動かすことができる範囲は必ずしも一緒ではありません。自分で動かす、動かそうとすることは非常に重要なのです。
現在世界中の研究機関で、加齢に伴う筋力低下であるサルコペニアや心身が虚弱した状態であるフレイルに対する薬の開発が行われていますが、現時点で薬はできていません。つまり筋肉を勝手に増やしてくれる薬はないということです。