2022.03.05

『ブラタモリ』女性アナ出世のウラで…番組中に「局内のエース」に育てる、タモリの凄さ

週刊現代 プロフィール

軽妙に気の利いたコメントを言える桑子の後に、近江や林田、浅野のような天然キャラの女性アナが配置されたのは決して偶然ではないだろう。

「知らないことには無邪気に感心してしまうような女性アナを見ると、視聴者は優越感を覚えやすくなります。結果的に、女性アナとタモリさんの二人が孫とおじいちゃんのように見える関係性が強くなったのではないでしょうか」(丸山氏)

前編で紹介したように、歴代アシスタントはまず『ブラタモリ』に出演して世間の好感度を上げてから、満を持してNHKの看板番組に進出していったのだ。

タモリの貢献度は計り知れない。視聴者はタモリとアシスタントとのやり取りを見て、女性アナの魅力に気づくからだ。

コラムニストの桧山珠美氏はこう解説する。

「他の大御所タレントと違い、タモリさんは決して自分から前に出ようとしません。『ブラタモリ』のロケも、ただアシスタントと散歩しているようにも見えます。どこか気の抜けたような空気感だからこそ、女性アナの存在が引き立つんです」

 

番組が始まる際、初代アシスタントの久保田には気負わず自然体でいることが求められた。だが実は、タモリこそがその姿勢を体現していた。それどころか、あえて「何もしない」ことで女性アナの魅力を引き出すという、仙人のような能力を見せていたわけだ。

福岡放送局から選ぶ

NHKとしては、アシスタントに指名された女性アナには何とかタモリに気に入ってもらわなければならない。ベテラン局員はこう話す。

「この4月から担当する野口葵衣アナ(27歳)は天然キャラなので、番組の雰囲気に合うと思います。

彼女は福岡放送局に籍を置いたままアシスタントを務めるのですが、近江も林田も東京に来る前の赴任地は福岡です。少しでも福岡出身のタモリさんと息が合うようにと、意図的に福岡から選ばれていると思います」

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