2022.02.27

6000万住宅ローンの30代夫婦、「固定or変動金利」問題に“お金のプロ”が示した4つのシナリオ

秋山 芳生 プロフィール

さらに、極端に金利が上がっていくケースを考えてみます。例えば、5年ごとに0.5%ずつ金利が上昇し、20年後には2.5%まで金利があがる場合のシミュレーションだとこのようになります。

(4)変動金利0.5%から5年毎に0.5%ずつ上昇。20年後に2.5%で35年支払い
総支払い額:約7690万円
利息返済:約1690万円
月々の返済:5年目まで約15.6万円 
5年後から約16.8万円
10年後から約17.9万円
15年後から約18.8万円
20年後から約19.5万円

この場合、金利上昇が激しいので変動金利の方が総支払い額は多くなってしまいますが、それでも固定金利と比べても190万円ほどしか多くありません。

さらに、固定金利の月18万円の返済額と、変動金利の初期返済額15.6万円の差額は2.4万円となります。この差分を5年間貯蓄できれば144万円になるので、極端な金利上昇時はこの貯蓄から繰り上げ返済をすることで元本を減らすことができます。そうすると、先のような金利上昇が起こっても固定金利の総支払額よりも下げることができるのです。

もちろん、固定金利を選択することが悪いわけではありません。固定金利は、金融機関が金利上昇のリスクを背負うものになります。その分支払利息は高くなりがちですが、長期で支払額が変わらない安心感をえることもできる上に、10年前と比べると固定金利自体も非常に小さくなっているからです。最終的にはご自身の働き方やリスクの許容ができるかどうかで判断すると良いでしょう。

最終的にNさんとAさんは、中古のマンションを変動金利0.5%で35年ローンを組むことにしました。固定金利で支払う場合、手取り収入の30%を超えてしまいますが、変動金利であれば21.2%に抑えられます。Nさんは、固定金利と変動金利の差分を貯蓄し、金利上昇した場合は繰り上げ返済をしていくことにしました。また、ボーナスも半分は住宅の繰り上げ返済準備金として確保し、万が一退職金が出ない場合でも65歳には全額繰り上げ返済可能な状態にするとのことでした。

 

オーバーローンを防ぐために

住宅ローンは長期で借りることが多いので、先々の変化が読みきれません。低い変動金利でやっと毎月のローン返済ができる場合は、住宅ローンの借入金額自体がキャパシティを超えている可能性が高いです。また、会社の倒産や、健康の問題などにより返済ができなくなってしまったり、当初の予定の生活が変わってしまい、買った家に住み続けられないこともありえます。

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