美しさとは、限られた人だけが持っているものではありません。美しくあることに年齢、容姿、性別などは、なにも関係ない。美しさには正解も、基準もない。自分らしさを発信する著名人に、それぞれが思う“美”について伺いました。今回お話を伺ったのは、ビューティークリエイターの川邉サチコさんです。

川邉サチコ(かわべ・さちこ)
1938年東京生まれ。ビューティークリエイター。女子美術大学卒業。23歳のときにパリで美容を学び、国内外のファッションショー、広告、アーティストのヘアメイクを担当。94年から、トータルビューティーサロン「KAWABE LAB」にて、ビューティーアドバイスを行う。著書に娘の美木ちがやさんとの共著『あの人が着ると、パーカーがなぜおしゃれに見えるのか』(主婦と生活社)など。@sachiko_kawabe

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「美しさとは生き方」。
加齢を受け入れ、それを楽しむ

「若い人でも『もうおばさんだから』なんて言う人がいるけれど、人生100年と言われる時代で、この先ずっと『老化した』と思いながら生きていくの?」

長い間ビューティークリエイターとして多くの人を美しくする手伝いをしてきた川邉サチコさんは、そう言って笑う。

「おしゃれでかっこいいと、メンタルまで変わってくる。綺麗になろうとする人のお手伝いをするのが今の私のライフワークです。自分に自身が持てるようになると人生観まで変わるという事例を間近で見てきて、人間は年齢ではないと実感しています」

Instagramでは、日々のコーディネートを紹介。

高齢になったからといって、美しく在ることを諦める必要はないと川邉さんはいう。

「高齢者とは、人生を一生懸命に生きて経験を積み重ねてきた人たち。長い人生経験はその方の財産よね。誇りを持ってほしいと思います。この高齢化社会で、自分に自信を持って生きる人たちが増えたら、社会も明るくなると思う。私はプロのファッション、ビューティーを手がける仕事を長年してきましたが、94年からは一般の方を健康で美しくするサロンを開きました」

サロンでの施術をはじめ、講演会などで全国をまわり、美のつくり方や考え方を伝えている。年齢はただの数字だと考えている川邉さんは、体の変化も前向きに捉えている。トレードマークとなったシルバーヘアも、そんな考えからはじまった。加齢とともに変わる体の変化を楽しんでしまおうと白髪染めをやめたことで、また自分に似合うものが新たに見つかったのだ。

仕事仲間でもあった、アートディレクター石岡瑛子さんの回顧展にて。

「シルバーヘアになってから、ヘアスタイル、メイク、着るものにも変化がありました。この髪色にしたからこそ、長い髪も楽しめるようになったんです。綺麗な色の服やメイクも似合うようになっておしゃれの幅も広がりました。若い人からは『かっこいいですね』と言われます。シルバーヘアは若いときにはなかなか出せないこなれ感が出せる。老化による変化を楽しむのもいいものですよ」