2022.03.03

金沢大学が准教授に「不可解すぎる懲戒処分」…いま名門大で起きている「異常事態」の全容

長谷川 学 プロフィール

この通報後、小川氏は担当講義を大幅に減らされるなどの報復を受けたが、小川氏は「反省し、改めるべきは大学側」として、嫌がらせをやめるよう大学を提訴する一方、2017年に3度目の通報をした。

事案は、小川氏と某教授が担当した試験に関するもの。試験で不合格だった贔屓の学生3人を某教授が合格にする一方、3人より成績が良かった11人を不合格にしていた事実を知った小川氏が大学に通報した。公益通報者保護法では、公益を守るため、不正があった場合は勤務先の事業者か所管官庁に通報するよう義務付けており、小川氏は、その規定に基づいて公益通報を行った。

通報後、小川氏は「改ざん防止のため大学のコンピュータに自分が直接、点数を入力して点数原本を作りたい。コンピュータ入力後に加工すると、電磁的公正証書原本不実記載罪になるので防止策になる」と提案。大学側はそれをいったん受け入れながら、後に拒否し、入力に必要なIDを小川氏に与えず、採点を紙に印刷して大学に渡すよう小川氏に通知した。

「それでは改ざん防止にならない」と小川氏が抵抗したところ、大学は2018年3月に小川氏を提訴。争点は「なぜ紙で点数提出しなければならないか」の立証だけ。だが大学側は合理的理由を立証できず、民事訴訟の一審判決までは平均1年弱が普通なのに、提訴から4年経った今も裁判は継続中だ。

 

ブログに謎の脅迫が書き込まれ…

その裁判の結論が出ていない中、2019年2月、大学側は「紙の点数提出」に応じないという理由で小川氏を14日間の懲戒処分にすると発表。地元メディアは今回同様、小川氏に取材することなく大学の広報内容をそのまま報じた。

この処分についても同年、小川氏は大学を提訴(現在係争中)し、懲戒を押し付けた学長や研究科長らを職権乱用罪や偽計業務妨害などで告訴し、警察は、2019年3月、学長らを書類送検した。

すると2019年8月以降、小川氏のブログに、「小川を殺す」などと脅す書き込みが始まり、警察は金沢大医学部の学生を11月28日に逮捕した。

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