2022.03.03
# 週刊現代 # 医療・健康・食 # 社長

ロート製薬の社長が語った、「多角化」ではない「多柱化経営」の中身

再生医療から畜産業・飲食店経営まで
夏目 幸明 プロフィール

会社は「価値観」で選ぶ

ロート製薬へ転職したのは、価値観が合ったからです。

社長室はなく、私のすぐ近くに若手がいて頻繁に相談に来てくれます。創業家出身の会長に短期間での成果を求められることもないため、思いきった挑戦ができます。

海外の資本は1年単位で評価を下すことも多いようですが、強い柱は1年で育つものではありません。私は10年が節目だと思っています。

食うに困るようなことにならないなら、入る会社、付き合う会社は価値観で選ぶほうが幸せになれると思います。

我々が全員で目指すのは、世界にWellBeingをもたらすことです。WHOの憲章にも使われている言葉で、心身共に「よい状態」を指します。私はこれを実現するための事業領域を医薬品に限定しません。

例えば石垣島で進めている畜産業では、オレイン酸を豊富に含む健康的な肉質の豚が誕生しています。また商業施設・グランフロント大阪では、ロートの薬膳フレンチレストラン「旬穀旬菜」を運営しています。

photo by iStock(画像はイメージです)
 

香りに関する取り組みも始めており、研究所も開設しました。香りは、メンタルケアや生産性の向上にも大きな役割を果たすからです。

人生100年時代に突入し、我々がお手伝いできる領域は近年ますます広がっています。今後、当社は乳児期から高齢期まで、どんなライフステージにも寄り添える商品を開発していくつもりです。(取材・文/夏目幸明)

杉本雅史(すぎもと・まさし)
'61年、三重県生まれ。東京薬科大学薬学部を卒業し、'84年に武田薬品工業へ入社。その後要職を歴任し、'15年から'18年まで日本OTC医薬品協会の会長を務め、'17年からは武田コンシューマーヘルスケアの社長も務めた。'19年にロート製薬へ入社し、同年代表取締役社長に就任、以来現職

『週刊現代』2022年3月5日号より

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