ウクライナ侵攻、キエフ制圧の先に見据えるプーチンの「本当の狙い」

それでも「戦略的敗北」は避けられない
北野 幸伯 プロフィール

真の目的は、ウクライナ全土の制圧か

ところで、プーチンは、そこまでしていったい何を目指しているのだろうか?

彼が主張しているのは、「ウクライナがNATOに加盟しない法的保証」だ。それに、ウクライナがクリミアを「ロシア領」と認めること、ドネツク、ルガンスクの独立を承認することなども求めている。

プーチンの目的は、本当にこれだけなのか?

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クレムリンのプロパガンダマシーンである国営テレビ「ロシア1」を見ると、司会者が興味深い発言をしていた。

毎週日曜日20時から放送される「ヴェスティ・ニデーリ」2月27日放送分で、司会のキシリョフは、「ロシアとウクライナは、ドイツと同じ状況だ」と語った。

ドイツは冷戦後、西ドイツと東ドイツに分断された。それと同じように、ロシアとウクライナも、本来は一つの国だったが分断されたというのだ。

1990年、東西ドイツは統一された。同じように、西ドイツに当たるウクライナと、東ドイツにあたるロシアは、「再び一つの国になるべきだ」と。

 

彼のこの発言が、クレムリンの意向とは無関係の個人的見解とは考えにくい。つまり、もしかするとプーチンは、ウクライナの「完全併合」を願っているのかもしれない。

だが、仮に彼がそれを成し遂げたとしても、どうなるというのか。国際社会から完全に孤立し、地獄の制裁で、ロシア経済はボロボロ。ウクライナ人は、プーチンとロシアを憎悪し、再独立の戦いをつづけていくだろう。

プーチンが、ウクライナとロシア、そして世界中を不幸にする決断を下さないことを切に願う。

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