プーチンは米国を見透かしていた? ウクライナの悲劇はだれの責任か

バイデンが送った間違ったサイン

恐ロシアだが……

ウクライナは、今回のロシア軍の「侵攻」は別にしても「悲劇の歴史」をもつ国だと言ってもよいであろう。

その例を挙げればきりがないが、最も悲惨な事例の1つが「ホロドモール」と呼ばれる、人工的飢饉である。

ウクライナは小麦の産地として有名だが、スターリン時代のソ連において、収穫される小麦の輸出は貴重な外貨獲得手段であった。そのため、飢餓が発生してもウクライナの小麦は(工業化推進に必要な外貨の獲得のための)輸出に回され続けたため、それが更なる食糧不足を招くことになったのだ。

その犠牲者は数百万人から1000万人以上と見積もられている。スターリンと同じ独裁者・毛沢東の「大躍進」の人工的飢饉などによる死者は4000万人程度と見積もられているが、人口規模を考えれば、「ホロドモール」の悲惨さがよくわかる。

また、「工業化推進のためなら国民の命など安いものだ」という点において2人の独裁者の考えは共通しているといえよう。

そして、ロシア(ソ連)は我々日本人にもひどいことをしてきた。第2次世界大戦末期、一方的に日ソ中立条約を破棄し、日本の敗戦がほぼ確定した1945年8月8日に、卑劣にも宣戦布告。その後日本の北方領土を奪った問題は、今でも尾を引いている。またスターリン時代のシベリア抑留は、多くの体験者がその悲惨な経験を生々しく語っている。

さらには、ハリウッド映画の悪者の定番は「ナチス」か「ロシア」である。映画を観るたびに世界中の人々に「ロシアは悪者だ」というイメージが植え付けられていく(ちなみに、あれだけ人権問題などで「悪者」の中国は、ハリウッドにお小遣いをばら撒いているせいかほとんど非難されない)。

もちろん、ロシアの独裁者であるプーチン氏を擁護する気などさらさらない。私は「日本大好き人間」であるし、「民主主義」「自由主義」を守っていくつもりだ。

by Gettyimages

だが、世の中がウクライナ侵攻以降、民主党バイデン政権とその取り巻きメディアによる「一方的な論調」一色であることに、「作為」を感じる読者は少なくないだろう。

一体、「ウクライナの悲劇」はプーチン氏(ロシア)だけの責任でありバイデン政権や西側には全く責任がないというのは本当だろうか?

けんかでは「手を出した方が悪い」というのが原則だ。だから、今回ウクライナ「侵攻」を行ったプーチン氏が悪いのは当然だ。

 

だが、まるでプーチン氏がソ連邦を復活させ「世界征服」をするという野望のためにウクライナを侵攻したかのような論調は眉唾だ。

プーチン氏にすれば、20年以上独裁を続けるロシアの「お山の大将」でいる方が快適であり、あえて西側を敵に回し国内にも動揺をもたらすような「対決」を行うことに意味を見出せない。

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