持続的発展目指す「ESG投資」そのもっともらしさを前に個人投資家が持つべき大切な視点

善意を搾取されないために

資産運用業界における一大トレンド

今、流行のSDGs。企業のウェブサイトを見れば、「弊社はSDGsのXX番に注力しています」との文章とともに、企業の社会貢献活動のショーケースが並ぶ。SDGsに注力する企業の従業員の多くがSDGsのバッジを誇らしげに身につけているのをオフィス街でよく目にする。

いまさら説明は不要かもしれないが、SDGsとは2015年に国連が採択した17項目からなる開発目標の総称だ。環境保全や貧困撲滅といった、世界の持続的発展に資する開発目標を掲げている。これらの目標に沿った企業活動によって、世界をより良いものへ改善しようとするのが根本的な狙いだ。

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SDGsという用語は、その意味合いとともに何か既視感を覚えるのではないか。2000年代に大企業の間で「CSR」というキーワードが大流行した。CSRはコーポレート・ソーシャル・レスポンシビリティの略で、企業が果たすべき社会的責任を追求する企業活動を総称する言葉だ。

ジム・コリンズの『ビジョナリー・カンパニー』(邦訳は日経BP社)が世界で大ベストセラーとなった当時、企業経営におけるビジョンや社会性が強く意識された。同書は必ずしも企業の社会的責任だけに焦点をあてたものではないが、持続的発展可能性を探る「CSR経営」を結果的に推し進めることになった。。その後20年近くの時を経て、CSRという「SDGs」という言葉が登場したのだ。

 

さて、今回取り上げるのは、そのSDGsにおける投資の側面についてだ。

SDGsの投資版とも言える概念は「ESG」や「ESG投資」と呼称されることが多い。ESGとは、Environment(環境)、Social(社会)、Governance(ガバナンス=企業統治)の頭文字を取った言葉で、根本的な意味合いはSGDsと似通っている。従来の財務パフォーマンスだけでなく、環境・社会の問題や企業統治の観点でも投資先を分析すべきだ、というのが根本理念である。

投資対象となるのは、企業だけでなく国や地方自治体などが発行する株式や債券などの資産で、投資を検討する際に、社会・環境課題を解決に導く企業や組織を優先するとの考え方と言ってよいだろう。

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