日本の若者の「政治活動」を阻む「就職活動」

白河:私も森さんの例は企業研修でも話したりします。この活動に取り組んでくれた大学生などの若い世代について伺いたいです。今は一緒にやってくれていても、「就職があるから続けられない」「就活の時に政治運動していたことがバレないようにしたい」という話を能條さんが以前聞きましたが、そういう空気はまだまだありますか?

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能條:あると思います。私が署名活動をしようと思ったときは、NO YOUTH NO JAPANの活動ではなく、個人的なものという位置づけにしました。署名は「私も一人の市民としてできることをしたい」という想いから始めました。

白河:そのとき一緒に活動してくれた方がいましたよね(※)

※ 能條さんと同年代の活動家である「#なんでないのプロジェクト」代表の福田和子さん、「VOICE UP JAPAN」代表の山本和奈さんら10人が能條さんと共に有志として署名を立ち上げ、アスリートの下山田志帆さん、音楽家の坂本龍一さん、歌手・アーティストのコムアイさん、日本文学研究者のロバート・キャンベルさんなどを含む55人が賛同人として名を連ねた。

能條:個人で活動している人たちと連盟で署名を提出しました。それぞれ別の団体の代表などをしている人が、個人で声を上げました。名前を連ねてくれた人たちは、すでに自分の顔と名前を出して活動してる人たちです。代表性が生まれてしまうのは良くないかもしれないけれど、そういう人がいるからこそ進むことがあると思っています。誰が言っているのかわからない発言では、なかなか世の中を変えていけません

白河:戦略的にあたっていると思います。メディアからすると顔が見えない活動は取り上げにくいんです。

能條:そう思って意図的に20代30代の女性だけで署名を提出しました。正直「女性だけでやるってどうなの?」と思ったのですが、当事者に当たる人たちがいるのが一番分かりやすいだろうと思ったのです。一人では心細かったのですが、みんなが「いいよ、やろう」と2つ返事で協力してくれました。同世代の仲間がいることは本当にありがたく心強く感じています。 

ただ、それがみんなにできるかと言われれば、やっぱり就職活動を控えていたり、考えたりしている人にはハードルが高いと感じます。みんながやるべきとは思いません。ただ、やれる人たちがたくさん周りにいるのはありがたいと思います。

白河:あとはやれる人を応援するという方法もありますよね