能條:20代の友人と話していても、キャリアの直線のどこかに政治家という職業があること自体は「いいな」と感じている人は少数だけれどいます。ただ、一生政治家という生き方を選びたいのかというと、そこまでは思っていない人が大半です

また、政治家に立候補する人って意外と、自分がやりたいというよりは、周りの人に「あなたが政治家になれば安心だよね」と言われて立ち上がる人が多い。そういう人が落ちたときに再就職しやすいように支援があるといいと思います。

今は出ることしか話されていないので、「じゃあ、落ちたらどうするの?」というところが見えません。また次の選挙で立候補しても、4年後も落ちるかもしれません。キャリアパスとして「落ちても大丈夫」という保障がないのです。自分のキャリアとして、政治家になることが役に立つのかどうかも含めて、見えるようになるのも大事だなと思います。

※写真はイメージです〔PHOTO〕iStock
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「結局自民党しかない」から抜け出すために

白河:落選すると3日で宿舎も引き払わなくてはいけないし、引っ越しも間に合わないという話を辻元清美さんに聞きました。立候補自体を、お金の問題であきらめる女性も多い。男性の政治家は、落選している間に地元企業の顧問の職などに就いてわりと安泰な人もいますが、女性の場合はあまりそういう話を聞きません。

政治家になろうという人は、社会に奉仕しようと思ってキャリアを選択しているのですから、それを「応援します」という仕組があってもいいですよね。ある企業は辞めずに立候補できて、落ちても働き続けることができます。そういうシステムが整備された方がいい。もし能條さんが出るとしたらどこの党から? 無所属ですか?

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能條:難しい……地方議員だったら無所属だと思いますが、国政を考えたら無所属だと結構厳しいですよね。どこかの推薦も必要ですし。ここと言える党が見つからないところが悩みどころです。

今の状況だと自民党から出るのが一番キャリアとしても続くと思うのですけど。でも有権者は「結局自民党しかない」って思って投票にも行かなくなるという負のループに入っていると思います。立候補する人たちが目指したい社会像を二の次にして、「自民党じゃないと変えられないから自民党で」と言い始めたら、それは事実上の単独政権をみんなでつくっていくことになっちゃう。他の政党が入る余地がなくなってしまいます。

民主主義には、有権者が政権選択可能な2つ以上の政党が必要だし、「変えやすさ」だけを求めて自民党から立候補するのは民主主義に対して申し訳ないのではないか、という謎の正義感があります。でも、政治家になってずっと何も変えられないのも嫌。だからなかなか答えは出ません。

白河:政治をひとつのキャリアの選択肢と考える人が増えるように、今とは違う仕組みが必要ですね。「覚悟だ」とか「勇気だ」と言っているだけでは何も変わらない。忌憚のないところを聞かせていただいて、ありがとうございました。