デモ? ストライキ? 一体何事?

たまねぎのような可愛らしい屋根の教会が至る所にあるキエフの街を歩くと、お人形のように小さい顔、ビー玉のように澄んだ青い瞳、ブロンドヘアの長身女性たちの異次元レベルの美しさにどこを見ていいのか分からない状態だった。「本当に同じ人間なのだろうか……?」8頭身の美女たちをまるで世界遺産を見るように眺めながら、地図を片手にキョキョロしていると、突然街にどよめきが起こった。

買い物中に出会った4歳くらいの女の子。ウクライナの女性は皆、お人形さんのような美しさだった。写真提供/歩りえこ

たくさんのキエフ市民が集団となって一斉にこちらに向かって歩いてくる。デモ? ストライキ? 一体何事なのだろうか? 事態が把握できず、とりあえず道の隅のほうに避けると、群衆があっという間に道を占拠したため、私は身動きができずパニックに陥ってしまった。

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すると、背が高くて20代前半くらいに見える青年が私の手をクイッと強く引っ張り、道の中央へとグイグイ連れていく。全く状況がわからないが、やけに麗しい青年なので悪い気はしないし、私は腕クイにめっぽう弱い。

そのうちに道の中央がまるでモーセの十戒の海割りのように開けていく。すると一人の十字架を持った白髪の老人がたくさんのお付きの人たちを従えて歩いて来るのが見えた。

青年は私に「カメラ!カメラ!ユーアーラッキー!」と大興奮で言い、カメラでその人物を撮るようにジェスチャーした。私は何が何だか分からない状況だったが、瞬時にその人物が物凄い人であることを察知し、青年に言われるがまま夢中でカメラのシャッターを押しまくった。

大勢の群衆が白髪のご老人を囲んで波のように動いていき……やがて見えなくなると、青年は興奮状態で私に話しかけてくるが、言語が通じず、何を言っているのか全くわからない。あの出で立ちからして教皇さまだったのかな?(※他国から訪れた教皇さまだと思われるが、人物特定できなかったため写真の掲載は控える)よくわからないまま立ちつくしていると青年の友人なのか、4人ほどの男女が合流し、ジェスチャーと拙い英語で私に何かを喋っている。

「ランチ!トゥギャザー!フレンド!」どうやらランチへ一緒に行こうと言っているようだ。私は彼らの身なりや女の子もいるのを確認すると、純粋に友達になりたいと思って一緒に皆でランチへ行くことにした。

キエフのダウンタウンにある「聖ミカエル大聖堂」と少年。ウクライナカラーである水色が特徴的な大聖堂で、1936年に旧ソ連の教会弾圧により破壊されたが、ウクライナの独立を機に再建された。写真提供/歩りえこ