言葉が通じず意思疎通できない
青年たちは先ほどのラッキーな出来事について興奮して喋っている様子で、歩きながらキエフのファーストフード店へと辿り着いた。本当はこれからひとりでウクライナの伝統料理を食べに行く予定だったけど、これも何かの縁だし面白そうだ。何よりひとりで食べるご飯は寂しい。
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彼らとファーストフードをムシャムシャ食べながら会話をしようとしたが、やはり言語が通じずにまともな会話が成り立たない。私は紙とペンをバッグから取り出すと、自己紹介となるキーワードを英語で少しずつ書いていった。
30分ほど皆で筆談を続けていると、あまりの意思疎通の難しさに疲れたのか最初に手を引っ張ってきた青年以外の4人は「バーイ」と行ってしまった。
残った青年は満面の笑顔でこう言った。「マイネーム、タラス!トゥデイ!ウィー!トゥギャザー!」どうやら今日1日一緒に過ごそうと言っているようだ。こうしてタラスとの「ローマの休日」ならぬ、「キエフの休日」が始まった。