「相手のことを想って行動する」が大切

世界一周の魅力は数えきれないほどたくさんあるけれど、こんな風に場所を移動するごとにさまざまな人と観光を楽しめるところも最高だなと思う。世界はとても広い。今まで知らなかった人にひょんなきっかけで突然出会うことも多い。

ターミナルで隣に居合わせた青年たちと記念写真。皆フレンドリーで観光客である私を見るとフランクに話しかけてくれた。写真提供/歩りえこ

自分の生きてきたバックグラウンドとまるで違う世界で生きている人たちに出会うと、これまでの凝り固まっていた価値観が根本から覆される。誰かに右に行くようにと言われても左に行ったって構わないし、先入観もいらないということが世界を旅してわかった。

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必要以上に失敗を恐れたり、普通から何とか外れないよう、皆と同じように生きなければいけないという意識も消えた。それよりも、失敗や不安定さを恐れるあまり、何も挑戦しなくなることのほうが何よりもったいないと感じるようになった

少しくらい他人と違ったことをしようとも、周りの顔色ばかりうかがって生きていたら死ぬときになって絶対後悔すると思うようになった。だからこそ、他人と違う価値観を恐れずに一度きりの人生でチャレンジし続けていきたい。

タラスとの突然の出会いは、そんなことも思わせてくれた。今ウクライナで起きていることがテレビのニュースで流れるたびに、タラスが走って見送ってくれた姿を思い出す。

キエフの街は絵本の世界のように美しかったのに、ロシア軍に攻撃された悲惨な映像を見るととても同じ街とは思えない。

どんな理由があっても戦争には反対、正しい解決方法ではないと思う。それを分かってはいても私たちにできることは少ないかもしれない。それでも「相手と自分を置き換えて考える」「相手のことを想って行動する」。これを多くの人が心がけていくことで、せめて身近な争いはなくしていけるのではないだろうか。

タラスは当時FacebookなどのSNSアカウントを持っておらず、E-mailだけ書いた紙をもらったがその紙を紛失してしまい、その後連絡は取れていなかった。彼がキエフの街に現在も住んでいるのかはわからないが、どうか無事でいてほしい。そして、この戦争が1日も早く終わり、ウクライナが平和を取り戻せるように願ってやまない

ブラを捨て旅に出よう 貧乏乙女の“世界一周”旅行記

費用はたったの150万円という、想像を絶する貧乏旅をしながら、2年間をかけてほぼ世界一周、5大陸90カ国を巡った著者。そのなかから特に思い出深い21カ国を振り返り、襲われたり、盗まれたり、ストーカーをされたり……危険だらけの旅のなかで出会った人情と笑いとロマンスのエピソードを収録。(講談社文庫)

Huluオリジナルドラマ『ブラを捨て旅に出よう〜水原希子の世界一周ひとり旅〜』

©︎Hulu Japan

人生に迷いを感じた水原希子が、突如、世界一周旅行を宣言。原案の実話エピソードをベースとしたストーリー展開を予定しているものの、現地へ赴けばハプニングだらけの珍道中(!?)という半分ドキュメンタリーのオリジナルドラマ。[全6話]