ウクライナ侵攻からの教訓―これが台湾有事だったら日本は負けている

特に情報戦、我が事として備えよ
山本 一郎 プロフィール

山盛りの問題点リスト

早期解決がなろうとなるまいと、途中経過でも起きていることの総括は必要で、経済面、外交面、情報面、いずれも日本は「次に起きること」の予行演習として対処しなければならないことリストを考える必要があります。

別稿で論じてはおりますが、筆者としては、一連のロシアによるウクライナ侵攻から得られる教訓や他山の石は多かろうと思います。特に、ディスインフォメーションからサイバー攻撃までさまざまな積み残した宿題があり、今回のウクライナの事例は日本が直面する「次」はもっと⼤変であろうことを前提に対抗策を講じる必要があることが浮き彫りになっています。

また、ウクライナのように地続きではない日本が、非戦闘員の邦人退避や現地資産の保全のために何ができるのかを考えておくべき事態は迫っているように思います。(「ウクライナ侵攻で明らかになるディスインフォメーションの脅威」WILL.Online、3月8日)

地域研究の分野でも、日本政府ではその方面の第一人者とされる人たちが、実は開戦の直前までミンスク合意(ミンスク議定書)は守られると考えていたこと、つまりロシアからの2月中のウクライナ侵攻は「無い」と考えていた一方、特定の同盟国からは昨年11月の段階ですでにロシア側の作戦の概要が伝えられ、具体的にどのような軍備でいかなる侵攻がありそうか予告されていたことは、謙虚に踏まえなければなりません。

 

良くも悪くも日本は、ロシア大統領のプーチンさんの合理性を過大評価したか、ロシア国内の楽観的な戦力分析がもたらしたミスジャッジの可能性を軽視したことは、おおいなる反省材料であったと思います。

これは、単純にこの戦争が⽇本に関係するものだった場合、⽇本の外交・情報レベルでは、情勢分析からの未来予測で大きく読み違え、すでに情報戦で負けていたことを強く⽰唆するものです。

確かに日本にとってウクライナは遠い国ですが、ロシア自体はまぎれもなく日本の隣国です。

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