2022.03.20
# ライフ

近年人気の「家族葬」の思わぬ「落とし穴」…10年前の後悔がいまだ消えない女性の告白

私は葬祭コーディネーターとして、葬儀社で働く従業員の育成に努めています。そのため、一般の皆さまから葬儀費用などにまつわる相談を受けることがあります。

今回ご紹介するのは、近年人気の「家族葬」を選んだら大きな後悔が残ったという、ある女性の事例です。家族や親戚、親しい友人とゆっくり見送る「家族葬」は、一般的には費用も安くなると言われているのですが……。

彼女の相談内容と私からの提案を、わかりやすく述べたいと思います。皆さまにとって参考になれば幸いです。

家族葬だと香典でまかなえる?

今回、相談にいらしたのは、10年前にお母さまを見送られた現在40歳の女性。お名前は山野さま(仮名=以下同)。経理の仕事をされている会社員です。10年経ってからのご相談は、たいへん珍しいことでした。

Photo by iStock
 

「『家族葬ですから、香典でまかなえますよ』と、葬儀社の担当の人にいわれたのです。ですから安心していました。でもお料理代にも足りなかったのです。

お料理を奮発したのがいけなかったのかもしれません。しかし、お葬式という場で、久しぶりにみんなで顔を合わせながらご飯を食べるのです。そのときに恥ずかしいお料理だけは避けたくて……。見栄を張ってランクの高いお料理にしてしまいました」

お料理の費用も聞いてみたところ、大人ひとりのお膳が1万円。子どもひとり6000円。大人の合計人数は16名。子どもは6名。お料理合計19万6000円(税抜)だったそうです。

実際、テーブルに並べられたお料理は、2人分の席を使うほどだったといいます。親を送るのに、子である自分たちがしっかりしているように、親戚中に思われたかったそうです。

皆さんがお料理を見て歓声を上げると、安堵したとおっしゃいました。量が多すぎて、ほとんどの人が残したけれど、それでも見栄を張った甲斐があったと、そのときは思ったそうです。

「考えてみると、結婚式に包むお祝いは高額ですが、お葬式で包む香典は金額が低いですものね。あのときは見栄を張ることばかりが頭にあって、費用については細かく計算をしていなくて……。大きな誤算でした」

と、今さらだけど悔いている……という気持ちを伝えてこられたのです。

それでは、遺族が勘違いしたり、葬儀社とこじれたりしないためには、どうすればよかったのでしょうか。数点、あげてみたいと思います。普段でしたら当然のこととして、皆さまも意識されている内容です。

SPONSORED