さかのぼれば、大学生時代からマイボトルを持ち歩き、自販機やコンビニで飲み物を買った記憶がほとんどないという桶井さんにとって、マイボトルは「FIRE」の象徴であり、節約の神器であり、複利マシンでもあるとのこと。
本稿では、その効果をご紹介いただきます。春からの新生活とあわせて、新しい習慣を始めてみませんか。
マイボトルは最強の「複利マシン」
私は、サラリーマン生活25年間、労働、節約、貯蓄、投資の歯車を回し続けて、2020年秋、47歳で資産約1億円と共にFIREしました。FIREは華やかなものに見られがちですが、実際のところ、そこまでの道のりはとても地味なものです。その象徴がこの「マイボトル」というわけです。

投資には種銭が必要で、人並みに稼ぎ・人以上に節約するのか、人以上に稼ぎ・人並みに節約するのか、どちらかになります。もちろん、人以上に稼ぎ・人以上に節約できればベストです。ところが、人以上に稼ぐのが難しい社会になりました。日本のサラリーマンの年収は下がり続けているのです。
私は、ごくフツーのサラリーマンで、平均年収は400~460万円でした。ゆえに、FIREするためには節約が必須でした。もちろん、いわずもがな投資も必須です。
その節約の神器となるのが、マイボトルです。実は、マイボトルは「複利マシン」なのです。
何を大げさに! 節約できても、たかが数百円のことじゃないか! ペットボトル150円やランチドリンク350円にお金を使うくらい、毎朝の面倒な準備と引き換えに、「便利」をお金で買うんだからいいじゃないか! ラテマネー(*)くらいケチケチしたくない!
*ラテマネー (=1日1杯のコーヒーのような「毎日なにげなく使ってしまうお金」)
そう思われる方もおられるかもしれません。
本当にそうでしょうか?
マイボトルを準備することで1日500円ほどラテマネーが節約できます。月間では1万5000円です。年間では18万円です。サラリーマン生活43年(22~65歳)では774万円です。これは節約して貯金した場合の計算ですが、これでも大きな額です。
たかが、と思っていたラテマネーで774万円にもなっているのです。老後2000万円問題の約40%が解決できるレベルの話です。年収にもよりますが、手取りベースで計算すれば労働2年間分くらいではないでしょうか。
私には、毎日3分早起きしてマイボトルを準備するだけで、老後2000万円問題の40%が解決できて、労働2年分にもなるのでしたら、とても「たかが」とは思えません。逆に、労働で774万円稼ぐことを想像してみてください。どれだけ大変なことか。あなたはどのように感じられますか?