2022.03.14

「他人を家に入れたくない78歳母」の介護が不安…「貸金庫」のおかげで悩みが晴れたワケ

長野 郁子 プロフィール

株券はなくなったし、手形も電子取引されている。 基本的に保険証書など証書類はデータ化されているので、無くなってもどうにかなるのである(復活させる手続きは面倒だが…)。また、重要書類ナンバーワンの「不動産の権利書」も廃止され、今や目隠しシールが貼られた「登記識別情報通知書」になった。もちろん大切な物だが、昔の権利書とは重要性の格が違う。というわけで、昔のまま変わらないのは実印ぐらいだ。

〔PHOTO〕iStock
 

逆にデジタル化したがゆえに金庫に入れておきたい物もある。それは、ネットバンク、ネット証券などの証書や暗証番号。パソコンの中の重要データのバックアップ。もちろん今時はクラウドに保存するという手もあるが、本人しかわからないデータの保管場所が仮想空間で、本人しか開けられないというジレンマがある。貸金庫なら「どこそこ銀行の貸金庫に大事なもの入れてある」と言っておけばいい。

銀行が行なった、貸金庫についてのアンケートによると、個人利用で最近入れられているのは貴金属や思い出の品が多いそうだ。貴金属は宝飾品だけでなく、私もFP相談でお勧めしている金やプラチナのバーなども含まれる。

分散投資やインフレ対策で資産の一部を貴金属で持つことはいいことなのだが、盗難や紛失が怖い。だから貸金庫に保管するのである。重さ制限もあるので、大量には保管できないが、100gのバー数本なら大丈夫。これは、本当に何もかもを失ったときに生活を再建させるための原資にもなる。

そしてぜひ貸金庫に入れて欲しいのが、写真データだ。アルバムはかさばる一方で、思い入れは強いので、遺品の中で一番処理に困る。データなら、保存媒体にコピーすれば何千枚でもコンパクトに保存できる。

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