2022.03.14

「他人を家に入れたくない78歳母」の介護が不安…「貸金庫」のおかげで悩みが晴れたワケ

長野 郁子 プロフィール

というわけで、個人利用の場合、貸金庫の狭いスペースに入れる物は実印、銀行印、重要書類(登記識別情報通知書、保険証書など)、貴金属、パソコンの重要データ(ネット上の個人情報、住所録、作成した文書類、写真など)、いつも使う通帳やカードなどのコピー、思い出の小さな品などである。もし明日、大災害に遭っても、命さえ助かれば、これで生活を取り戻すことができる。

 

貸金庫の「5つのメリット」

さて前述の佐和子さんの困りごとである。最初は「貸金庫なんて」としり込みしていたけれどメリットを話すとやる気になったようだ。介護における貸金庫のメリットとは、

(1)重要書類の紛失が防げる

何が大事な物かが明確になり、その保管場所が特定されること。実際、親が亡くなると大事な物の保管場所がわからないことが本当に多い。

(2)大事なモノを守れる

実印や銀行印が手元にないので、実印がないとできない契約や大金の出金ができない。高齢者を狙った詐欺の多くを未然に防げる。もし本当に必要な契約や出金の場合は、関係者が立ち会える。貴金属や小さな貴重品などを盗難から防げる。

(3)人の手が借りやすくなる

介護がそろそろ必要かなという初期段階で「他人を家に入れたくない」という親の抵抗にあう。でも「他人を入れたくない」心を詳しく見ると「自宅を見られたくない」という恥の気持ちと「大事な物を取られる」という猜疑心がある。

散らかった部屋を見られたくないというのは、実際ヘルパーさんに掃除や片付けをしてもらって快適になれば解消するようだが、問題は猜疑心。大事な物は貸金庫に預けておけば、他人が自宅に出入りしても盗難の心配はなくなり、むやみに人を疑わずに済み、人の手を借りやすくなる。

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