2022.03.12
# 日本株

「ロシア経済制裁」で株価乱高下…先行きは「インフレと通貨価値」がカギ

侵攻前から海外勢は売り越していたが

ジオポリティカル・リスク

ロシアがウクライナに侵攻した2月24日以降、米国株は乱高下し、それにつられるように日経平均株価も激しく上下動を繰り返している。西側諸国によるロシアへの強力な経済制裁もあり、世界経済全体への打撃も予想されるが、にもかかわらず株価は一方向の下落にはなっていない。いったいなぜなのか。今後の日経平均株価の行方はどうなるのか。

by Gettyimages

ロシアが侵攻を始めた2月24日の日経平均終値は2万5970円。前営業日の22日終値と比べて、取引時間中は670円あまり下げる場面もあったが、終値は478円安にとどまった。翌25日から逆に買われる展開となり、3月1日には2万6844円まで戻した。その後、西側諸国の経済政策や企業の事業撤退が表面化すると再び株価は売られ、3月9日には一時2万4681円の取引時間中の安値を付けた。

日本取引所グループが公表している投資部門別売買状況(週次)を見ると、2月21日から25日、28日から3月4日のいずれの週でも「海外投資家」が売り越し、「個人」が買い越す展開になっている。

実は、海外投資家の売り越しはウクライナ侵攻の前から続いてきた。月次の売買状況を見ると、岸田文雄政権が誕生した翌月の2021年11月から今年2月まで4カ月連続で、海外投資家の売り越しが続いている。4ヵ月間の売り越し額は1兆7200億円に達する。

岸田首相が打ち出した「新しい資本主義」が海外投資家に不評で、日本株離れが起きている。新しい資本主義の中身はいまだに見えないが、分配重視を掲げる一方で、金融所得課税の強化などに繰り返し言及されていることから、「反市場主義」の政策が出てくるのではないかとの危惧が海外投資家の間に広がっている。

 

そうした海外投資家の売りの「受け皿」になっているのが個人投資家だ。個人投資家は長年にわたって日本株を売り越してきたが、2021年の年間で10年ぶりに買い越した。バブル形成と崩壊を知らない若年層が「つみたてNISA」などで株式投資に興味を持ち、株式投資に新規参入していると見られる。株価が大きく下落したタイミングを「絶好の買い場」と捉えて買っている層も多く、日経平均株価が一方向の下げになっていない大きな要因と見られる。

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