2022.03.16

60代の夫婦が絶望…障害のある娘の「財産管理権」を裁判所からいきなり奪われた、その一部始終

長谷川 学 プロフィール

「私たち夫婦は、障害を持つ娘の将来を案じて、夫婦の乏しい資産の中から、娘の名義でコツコツとお金を積み立ててきました。ところが家裁は“お前たち夫婦は娘のお金を横領する恐れがある”と言って、妻から娘名義の財産を管理する権利を問答無用で取り上げました。

弁護士は、娘の預貯金を信託銀行に預ける手続きを進めようとしたが、その手続きに対する報酬だけで娘の預貯金から弁護士に最低でも20万円払わねばならないという。しかも私たちの死後に娘が亡くなったら、信託した預貯金の残額は全額国庫に没収される。妻は“とんでもない制度だ”と憤慨していました」

 

「親族後見人」が激減

成年後見制度に詳しい一般社団法人「後見の杜」の宮内康二代表が語る。

「本人の預貯金が800万円以上ある認知症高齢者や障害者の場合、家裁は親族が親や子のお金を横領するのを防止するという名目で、親族以外の第三者の弁護士や司法書士らの士業を後見人に選任するのが一般的です。このため2000年に9割を占めていた親族後見人は現在3割に激減。いまでは後見人の7割を弁護士と司法書士らが占めています」

その一方で、全国の家裁は2015年頃から、過去に家裁が親族を後見人に選任したケースについても「預貯金が800万円以上ある場合は、そのお金を強制的に信託銀行に預けさせて使えなくするか、親族を監視する後見監督人(弁護士)を強制的につける運用を行っている」と宮内氏は語る。監督人にも報酬が発生するのは言うまでもない。

弁護士、司法書士による被後見人の財産横領事件は毎年のように報じられているが、最高裁家庭局は、親族後見人に対してだけ後見信託などの横領防止策を強制している。

「妻は“私は後見人として一度も家裁から問題を指摘されたことがない。それなのに、ある日突然 、お前たち夫婦は娘の金を泥棒する可能性がある泥棒予備軍だ、と言って家裁は娘名義のお金を取り上げた。屈辱の余り、怒りで胸が張り裂けそうよ”と悔しがっていました」(夫)

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