2022.03.16
# ロシア

ロシアへの経済制裁が「まだ十分に効果を発揮していない」これだけの理由

カギは石油と天然ガスの「禁輸措置」
加谷 珪一 プロフィール

EU(欧州連合)は、年内にロシア産天然ガスの依存度を6割減らすとともに、再生可能エネルギーへのシフトを加速させる方針を打ち出した。移行期間中の暫定措置としては、米国やカタールなどからの輸入拡大や石炭への回帰、あるいは原発の再稼働などで対処する。

 

だが、EUによる一連の措置には相応の時間が必要となることから、すぐにロシアに妥協を迫ることは難しい。ロシアは民主国家とは言えず、反体制的な運動は弾圧されるため、民意がすぐに反映される保証もない。プーチン政権が倒れる可能性について指摘されているが、クーデターのような事態が発生するのを事前に予想するのは難しく、プーチン政権が倒れるという楽観的な予想を前提に事態に対処すべきではないだろう。

場合によってはプーチン政権が、ロシア国民を窮乏させながらも、一定期間、権力を維持してしまう可能性について、西側は考慮に入れておく必要がある。ロシア経済をさらに追い込むには、多大な損失を覚悟した上で、原油と天然ガスの全面禁輸に踏み込む以外に方法はない。

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