大人も読むべき「受験参考書」 マニアが選んだ「オススメの4冊」を大公開!

当時とは違った「楽しみ方」がある
粂原 圭太郎 プロフィール

鎌倉幕府は「巨大警備会社」だった?

■伊藤賀一『世界一おもしろい日本史の授業』(中経の文庫)

 

日本史をおもしろく解説した本はたくさんあります。中でもこれは「学生時代に歴史は好きじゃなかった」という人こそ手に取ってほしい一冊です。

この本の魅力は、なんと言っても「わかりやすさ」と「たとえ」でしょう。これらが本当に秀逸で、読んでいるとスルスルと頭に入ってきます。例を挙げると、「鎌倉幕府は“巨大警備会社”」というたとえ。鎌倉幕府が成立した経緯や担っていた役割などを捉えたものですが、身近な一言でイメージがつかめるため、歴史が嫌いな方でも楽しく読めるはずです。

海外の友人と話していると、「日本は長い歴史があるし、文化が豊かだよね!」と言われることがしばしばあります。海外の方は日本をそのように捉えているようですが、はたして僕たちは、どれだけ自国の歴史や文化に興味を持ち学んでいるでしょうか。

書店に行くと、「日本史をおもしろく学ぶ」系の本が山ほど売られていますよね。しかし裏を返せば、それだけ「学びたい気持ちはあるけれど、学生時代は挫折してしまった」「日本史を楽しく学び直したい」という方が多いのかもしれません。

本書はとても読みやすいので、先取り学習をしたい中学生や、通史をさっと理解したい高校生にもオススメですが、歴史を学び直したい大人の方にもぜひ読んでほしいです。秀逸な「たとえ」と楽しい雑談で、日本史の世界を案内してくれることでしょう。

本書と同じく伊藤先生がお書きになった『笑う日本史』は、学習参考書ではないのですが「おもしろくてためになる」エピソード満載なので、そちらもぜひ読んでみてください。 

関連記事