「コロナ治療薬開発」のウラで起きた経済事件、カギ握る“疑惑”の「預金通帳」の「中身」

「コロナ治療薬開発」の虚偽情報巡る事件

「免許証、パスポート、預金通帳から住民票まで、この世に偽造できないものはない!」

こう豪語する人たちがいる。「偽造」のプロで、「偽」に人偏(にんべん)が入ることから「ニンベン」という符丁で呼ばれる。

彼らを使うのもまた、地面師の類の詐欺師たちで、「ニンベン」の住所や職業などによって、更なる符丁で呼ぶことがある。「茅ヶ崎」「西日暮里」は居場所であり、「カレー屋」は夫人の営んでいる仕事、「シャツ屋」は前職である。「ニンベンの茅ヶ崎」といえば○×のこと、とプロにはわかる。

警視庁は、2月25日、医薬品ベンチャー「テラ」(ジャスダック上場)の株価をつり上げる目的で、同社の第三者割当増資に絡んで、虚偽情報を流したという金融商品取引法違反罪(偽計)などで、業務提携先のセネジェニックスジャパン元代表の竹森郁容疑者(50)ら3人を逮捕、3月17日に起訴する方針だ。

写真はイメージ/photo by iStock
 

テラ事件は、2月4日、警視庁がインサイダー事件として捜査着手。山崎平馬被告(49・偽計事件で再逮捕)らを逮捕した際、筆者は本サイトで、<コロナ治療薬めぐる「インサイダー取引疑惑」事件化のウラで“問われる市場の健全性”>(2月17日配信)と題して記事化した。

その時、竹森容疑者は筆者の取材に、「テラ事件はインサイダーの摘発で終わった。これ以上の刑事事件化はない」と、明言していた。だが、警視庁はその時、「ないもの(預金)をある」として株価を煽った罪に関する捜査を進めていたわけである。

「ニンベン逮捕」は、竹森容疑者ら逮捕の1週間後(3月3日)である。警視庁は、「預金通帳の残高のデータを偽造してテラに提出した」として、不動産会社役員の石川義朗容疑者(42)を、私電磁的記録不正作出・同供用容疑で逮捕した。

石川容疑書を知る人物はこういう。

「偽造のプロじゃないよ。ただ、器用なヤロウでね。パソコンをちょいちょいとイジって何でも作っちゃう。だから(警視庁に)やられたんだ」

 
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