ウクライナでの「勝敗」が見えてきた
ウクライナ戦争は「ロシアの敗色」が濃厚になってきた。ロシアが中国に支援を要請したり、停戦に前向きな姿勢を示しているのが、なによりの証拠である。敗北の影響はロシアにとどまらない。盟友の中国にも大打撃を与える。中国はどう動くのか。
まず、ここ数日の動きを時系列で整理しよう。
ニューヨーク・タイムズなど複数の米メディアは3月13日、ロシアが中国に「軍事物資や追加の経済支援を要請した」と報じた。中国は「米国の偽情報だ」と否定したが、ジェイク・サリバン米大統領補佐官は14日、ローマで中国共産党の楊潔篪政治局員と会談し「中国がロシアを支援すれば、重大な結果を招く」と警告した。

同時に、米国は北大西洋条約機構(NATO)とアジアの同盟国に対して、外交公電で「中国はロシアに軍事的・経済的援助を提供する用意がある意思を示していた」と伝えた。
米国は、ロシアの支援要請をメディアにリークする一方、同盟国にも、メディアに漏れるのを承知で情報を伝え、返す刀で中国に直接「オレたちはオマエたちの動きをしっかり掴んでいる。ロシアの応援は許さないぞ」と警告したのである。まさに、たたみかけるような攻勢だ。