ロシア国民を混乱させる経済制裁、それでもまだ戦争反対の声は小さい

モスクワから見たウクライナ危機・後編
村上 大空 プロフィール

まだ続くプーチンへの喝采

ただこういう声は、残念ながら、マジョリティーになるには至っていない。

現状としては、プーチンの決断を支持する声がほとんどであり、こうしたことは知識人にも共有されている。先日、ロシアの大学学長連盟では「今回のプーチンの決断はもしかしたら彼の大統領人生の中で、最も難しいものであったかもしれない」として、支持する旨を表明したほどである。

3月18日、「クリミアのロシアへの再統一記念コンサート」  by Gettyimages
 

こうした大統領への支援は市民の間でも強い。例えばモスクワでは18日に、「クリミアのロシアへの再統一記念コンサート」が開催されており、プーチンが登場すると会場は大きな拍手と喝采に包まれていた。筆者はたまたまこのコンサートが終わった後の時間帯に、地下鉄でモスクワの中心へ移動していたが、会場の最寄駅に止まった時、車両にロシア国旗を持った熱狂的な人々が大量に流れ込んできたのを目の当たりにした。

現状ではプーチンの支持率は7割であり、大半の人々はロシアのウクライナへの侵攻を支持している。ロシア人から筆者へ届くメッセージの大半には、「ファジズムには負けない」「最後に勝つのはロシアだ」「すべてはNATOのせい」と返信する気も失せるような内容ばかりが書いてある。

こうしたロシアの認識はすぐには変わらないだろう。

関連記事