屋久島高校

屋久島の自然を学ぶ
未来を担う若者たち

屋久島高校2年生、環境コースに在籍する8名の生徒たち。好奇心旺盛で、みんなとっても仲がよい。

「こんにちは!」

屋久島高校の生徒たちはとにかく挨拶が気持ちよい。素直な島の自慢の子どもたちだ。

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環境コースでは2年生時に宿泊研修や座学で、屋久島の自然環境や、文化、歴史、郷土料理などについて学ぶ。3年生になると独自の課題研究に取り組み、各自インタビューやアンケート、実験などを行い、レポートにまとめて発表する。

屋久島高校には、全国的にも珍しい「環境コース」が設置されている。生徒自らが課題を決めて、屋久島の自然、風土を研究して発表するというもので、これまで20年にわたって数々の生徒たちがいろんなテーマに取り組んできた。動植物の生態研究はもちろん、郷土料理、民謡。なかには屋久島の木を使って楽器をつくるといった、ちょっと変わったものもある。

現在、環境コースを選択している生徒は8人。うち2人は、この環境コースに入りたくて、島外からわざわざ屋久島に下宿して通っている。実際に授業のようすを見せてもらうと、自主性を大切にしていることがよく伝わってくる。主役はあくまで生徒たち。担当の児玉活也先生は、優しく見守り「ああしなさい、こうしなさい」なんてことはいっさい言わない。

この日は、島在住の木工作家さんと課題研究のための打ち合わせ。自分のやりたいことを一所懸命に説明し、具体的なプランを相談していくようすは、仕事の打ち合わせと変わらない。環境コースでは、環境について学べるだけでなく「課題発見・解決力」「思考力」「説明力」といった実社会で役に立つ能力を伸ばすことにも力を入れているのだ。

屋久島の木を使って楽器をつくりたい、というテーマに島在住の木工作家も協力。打ち合わせをしつつ、アイデアを詰めていく。大人たちに積極的に協力を呼びかけることで、島の大人の仕事を知るよい機会にもなっている。

卒業生たちの進路は多岐にわたるし、直接的に環境にかかわる仕事に就く人だけではない。いまいる2年生たちに将来の夢を聞くと、環境コースとはあまり関係ないものがほとんどだ。でもそれでいいのだ。「この子たちこそ、守るべき世界遺産です」とつぶやいた先生の言葉どおり、環境に興味を持つ子どもたちが育っていくことが大切。屋久島で芽吹いた種たちが、日本各地に広がっていくことで、50年後の未来はもっと当たり前に環境について考える世の中になっているはずだ。

屋久島高校 
1948年に創設された屋久島唯一の全日制高等学校。2001年に普通科のなかに環境コースを設置。卒業生には、國學院大學が主催する「地域の伝承文化に学ぶ」コンテストで、最優秀賞に輝いた生徒も。渡り廊下からは、オーシャンビューとマウンテンビューが同時に楽しめる最高の立地。