財源がないから小学校を潰す…地方で進む「学校統廃合」の知られざる現実
「異様な事態」が巻き起こっている市長へと転身した元近畿財務局長
「多くの日本人が知らない、「学校統廃合」の現場の信じられない実態」で、その暴力性を指摘した広島県福山市の学校統廃合。その責任者である福山市長・枝廣直幹氏は元財務官僚である。
とくに2013年6月から2014年6月まで財務教近畿財務局長を務め、財務省退官後、2016年8月に福山市長に当選している。現在2期目である。
「多くの日本人が知らない、「学校統廃合」の現場の信じられない実態」でも指摘したが、この枝廣氏が近畿財務局長だった間に、例の森友問題に関わる重大な案件が発生した。
近畿財務局が森友学園側と会い、そこで安倍晋三元首相の妻・昭恵氏の写真を示され、このことがのちに学園が国から購入した土地の価格に大きな影響を与えたのではないかと問題となったあの案件である。
安倍晋三元総理[Photo by gettyimages]
この時の会合記録が後に改ざんされ、その改ざんに関わった元職員の赤木俊夫氏の自殺まで引き起こした。
この件について、当時の近畿財務局長であった枝廣氏は新聞取材に答えて、「在任中に学校法人の名を聞いたことがない。理事長とも会ったことはない」と話したという。
この記事ではさらに「「記憶をたどっても(学園の)名前も出てこない」と述べた上で、「担当者レベルではやりとりがあったと思うが、逐一報告されることはない」と述べた」とある(朝日新聞デジタル「近畿財務局長『理事長と面識ない』森友学園問題」(2017年3月6日))。
言い逃れしたい時にたびたび使われる「記憶にない」がここに出ているのが大変気になる。重大案件だから局長はその事実を当然知っているはず(べき)であり、その上で清廉潔白なら、「首相の妻だろうが、公正公平に扱うよう指示をした」と説明するのがふつうだと筆者は思う。
まるで自分にはまったく責任がないかのようであり、どうにも釈然としない物言いである。
ともあれ、2016年8月に枝廣氏が選挙で福山市長に当選後、福山市の学校統廃合の現場では、新しい市長によってこれまでにない論理がいくつも導入されていった。
そこには、現在の財務省官僚(の一部)が、地方行政に対して本音のところで何を考えているのか、その闇があらわれているように筆者には思える。
財務省の森友学園案件が前代未聞の事件に発展していった経緯の裏で、発生当時に責任ある立場にいた人物が、その後財務省を離れてどんなふうに地域の学校統廃合を指揮していたのか。順に見ていきたい。