春闘賃上げ2%だと実質賃金伸び率はマイナスに
では、物価上昇に対応して賃金が上がるだろうか? それを判断する目安として、まず春闘を見よう。
連合の第1次集計によると、今年の春闘の賃上げ率は2.14%だった。
図表1に示すこれまでの春闘賃上げ率と比較すると、コロナの影響で低くなった昨年の賃上げ実績1.86%を上回るものの、2019年までの賃上げ率とほぼ同じ、あるいはやや低めだ。
図表1 春闘賃上げ率と賃金増減率(単位:%)

上述のように消費者物価上昇率は2%を超える可能性が高いので、仮に賃金が2%上昇しても、実質賃金上昇率はマイナスになる可能性が高い。
つまり、春闘においては、物価上昇率が高まることに対応した賃上げは要求されていないことになる。