2022.03.28
# 不動産

娘の「お受験」か「品川のタワマン」か…40代男性に突きつけられた“究極の二択”

このままでは、家計が破綻する…
小島 拓 プロフィール

崇さんはついに決心する。

「ここを出よう。副業を続けたとして、自分が生涯で稼げる収入の予測はつく。修繕積立金や管理費は今後も下がることはないだろうし、教育費がますます増えることを考えると、老後もここに住み続けることは不可能に近いだろう」

――しかし、美代子さんとしてはタワマンを手放すつもりは微塵もなかったようで、崇さんの提案に猛反対したそうだ。

「美代子はプライドが高いんですよ。東京出身なのに親の方針で公立しか行かせてもらえなかったことがコンプレックスらしく、娘には“下から私立”の整った環境で育ってほしいと躍起でした。お受験も当然、名門私立狙い。なかでも“三田の幼稚舎”になんとしてでも入れたい、そのためにはタワマンに住みつづけなければならない、と」

「絶対にタワマンから離れたくない」と、美代子さんは毎日のように崇さんに訴えた。そうこうしているうちに総会が開催され、賛成多数で修繕積立金の値上げが決定されたのだった。

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タワマンから引っ越すしかない

崇さんと美代子さんは、依然として「引っ越す」「引っ越さない」で議論を重ねていたが、実際に値上げされて、美代子さんも毎月の家計が受ける打撃を痛感したのかもしれない。

「美代子は、最終的には引っ越しに同意してくれました。管理費が値上がりしてから2ヶ月が経ったころ、“お受験対策塾の月謝が払えない”と気づいたみたいで」

家計は2ヶ月分、赤字になっていた。冷静になった美代子さんと、毎晩結衣ちゃんが寝てからふたりで話し合った結果、家計をダウンサイズすることに決めた。まずは車を手放し、不動産仲介業者にマンションを査定してもらった。結果、住宅ローンの残債より高額で売却できることがわかり、すぐに買い手もついたそうだ。

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