2022.04.10
# 介護

「100万人に1人の難病」を抱えた「ヤングケアラー」、生活保護も却下された困窮の日々

奥村 シンゴ プロフィール

なぜ生活保護申請は却下されたのか

横江さんの祖母は無年金で、毎月の介護費用5万円は父親の月収から支払っていました。父親の月収は23万円で、家賃や光熱費や税金などが引かれ5万円残ります。若干、生活にゆとりがあるように思いますが、介護は介護サービス費以外の費用が発生します。

Photo by iStock

例えば、週2回病院を受診する時のタクシー代を往復2000円とすれば月2万円(介護タクシーはさらに高額)。診察費が月1万円。オムツは基本、2回の排尿で1回替える必要があるので、1日4~5回交換が必要。オムツ1枚あたりの費用が60円程とし1日300円、月9000円。

この他、夜間・早朝急病時のタクシー代や医療費など諸々あります。

私も祖母が認知症の進行で、高価な洋服を買って年金を一日で全部使ってしまったことが何度かあり慌てて資金を調達しました。

「生活保護の受給を検討しましたが、同世帯で車があると申請できないと言われ大変でした。服を中古で買ったり、友達とも遊べなくなって疎遠になり、裕福な家で過ごしたかった、障がいさえなければと何度も悔やみました」

さらに、横江さんの祖母は自治体のオムツ支給の基準に該当しませんでした。

オムツの要介護者への支給基準は、横江さんが住む自治体のように狭いところと、「認知症なら要介護1から可」「寝たきり・失禁状態の要支援1以上」と広いところとバラつきがあります。ですから、自治体によって格差が生じないように支給対象をある程度統一する必要性を感じます。

ヤングケアラーに対し、国は2022年度から3年間かけて集中的に支援する方針を決定しています。自治体とモデル事業を行い、コーディネーターの配置やヘルパーの派遣など今までにない支援が見られます。

 

自治体単位では、2022年度から兵庫県神戸市や群馬県高崎市ではヤングケアラーがいる世帯に無料でヘルパーを派遣する制度を導入予定です。

今後は、「ヤングケアラーやケアラーが少しでも休息でき、勉強や仕事やプライベートの時間にあてられる支援や経済的支援」の拡大や多様化が求められます。

SPONSORED