医師が吐いた信じられない暴言
横江さんは、「スティッフパーソン症候群」を抱えながら祖母を介護する中で医者やケアマネージャーの無理解にも苦しみ続けました。

まず、主治医は横江さんに「お前の病気は、嘘や。仮病やで。大学病院を紹介しても逃げるやろな。父子家庭を言い訳にするな」と暴言を吐き、病気や父子家庭の事情を理解しようとしませんでした。
医師として必要な、患者に対して寄り添う気持ちやモラルが著しく欠けた許されない言動です。
「どれだけ傷つけられたか。自分はそんな思いじゃなくてもその一言が傷つけているんです。患者を前向きにさせることができないのでしょうか。仕事だからという義務感でやるのはやめてほしい。障がいを持っていても一つの命があり、精一杯生きています」
また、ケアマネージャーは、仕事と介護の両立が可能な介護者と同じようなスピードでヘルパーやデイサービスを探していました。
ですから、ヘルパーや施設を見つけるのが遅く、祖母との相性もいまいち……。
横江さんは、祖母と一日中ずっと一緒にいる必要がたびたび生じ、睡眠不足も重なりケアマネージャーとケンカになることもありました。
横江さんの苦労には、「ワンオペ介護」の大変さもありました。
いざ家族介護が必要になると、要介護者とのフィーリングや身軽な立場である人が介護をしなければならない雰囲気になる家庭があります。若者介護は、介護離職や正社員の就職が困難になる、同世代に介護者が少なく孤立しやすい、長期間の介護で身体・精神疾患を発症するなどのリスクがあります。