常にコントロールされた生き方はできない

踏んだり蹴ったりでも、流れに身をまかせるのが好きだ。ふらっと、さすらう時間も。そこから思わぬ幸せに巡りあうこともある。

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私は、かなり緻密に人生設計するタイプだと思われがちだが、人生の大切なことはだいたいが運まかせだ。いや、たしかにお金や下調べは、入念に準備するほうだと思う。実は、長期投資もかなり昔からやっている。でも、常にコントロールされた生き方はできないのだ。ある時、フッと投げ出してみるときがある。

写真提供/バービー

コンビ結成、ガーデニングプチ留学、全身脱毛。これらすべて、その場で突然決めたことだ。台湾に突如旅に出たこともある。

私が海外一人旅をするようになったのは20代後半、目に入るもの全て視線のレーザービームで斬り捨てるかのような尖りをみせていた頃。常に人に見られているような環境に慣れず、キリキリしていて、誰も自分のことを知らない世界に行きたかったからだ。

写真提供/バービー

その初めての突然一人旅が、台湾だった。『千と千尋の神隠し』のモチーフになったと言われる九份(きゅうふん)のネオンを見たかった私は、夜の便の飛行機で空港に降り立つや否やタクシーに乗った。もちろん、私は台湾の言葉がわからない。白髪混じりの中年男性のドライバーさんも英語がわからない。

ガイドブックで指さすと、愛想のいい彼はなにやらすぐに了承してくれたようだった。だが、向かう山道は、どんどん街頭が少なくなっていく。マップを見ても目的地から遠ざかっているようにも感じる。ついにすれ違う車もなくなってきた。

どんどん怖くなってきて、日本にいる友達にメールした。「拉致られたかも!」連絡が途絶えたら、私の身に何かあったと思って、とも伝えた。