2022.03.29
# ビジネス

「明日から有休を15日間下さい!」年度末に有休を消化してない32歳会社員の「思い切った行動」

木村 政美 プロフィール

明日から有休を15日間下さい!

B元さんの話を聞いたA上さんは、すぐに上司であるC山企画課長(以下「C山課長」)のもとに駆け込み

「課長、明日から有休を15日間下さい!」

と叫んだ。C山課長はびっくりしながら事情を聞くと、A上さんはB元さんから教えてもらった時効の話をそのまま伝えた。

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「君の事情はよくわかった。しかしいくら何でも3月末までにまとまった日数の有休を取りたいなんていうのは無理だよ。年度末は部署全体が忙しいからね」
「じゃあ、何日間だったら取れるんですか?」

C山課長は企画課全体の業務進捗表を見ながらしばらく考え込んだ。

「うーん。これから年度末までの業務状況と、20名いる課員のうち3名がそれぞれ3月末までに数日間つづ有休を取る予定だからそれも計算に入れると、A上君が3月末までに取れる有休は8日間が限度かな。しかも連続8日間ではなくて何回かに分けて取ってもらうことになるよ」
「すると、前年度分の15日間から8日間を引いてあとの7日間は時効で消滅ですか?」
「違う。8日間のうち5日間は前年度分ではなく今年度の有休だよ。君は法律で義務になっている5日間の有休をまだ1日も取っていないから、まずそれから先に消化してもらうよ」

 

C山課長の答えに落胆したA上さん。しかし、ふとあることを思いついた。

「前年度分の有休消化分は3日間ですよね? わかりました。課長の言う通りにします。それで残り12日間の有休は会社で買い取って下さい」

A上さんの提案に驚いたC山課長は、

「有休の買取だって?そんなのダメに決まっている」

と答えたが、A上さんは反論した。

「3か月前に会社を辞めたD園さん(A上さんの同期社員で営業課勤務)は、退職前にあまっていた有休を全部取ろうとしたけど、仕事の引継ぎの関係で無理だったので、会社が未消化分を現金で買い取ってくれたって、辞めた後本人から聞きました」
「えっ、そうなの?」
「なぜ私の有休の買取はダメで、D園さんのはOKなんですか? 理由を教えてください」

C山課長は無言だった。

じつは、有休の買取が認められるケースはいくつか存在する。もっとも、どれも例外的なもので、C山課長が知らなくても無理はない。

後編〈年度末に「大量に余った有休」を会社は買い取ってくれるのか?32歳会社員が「直談判」した結果〉では、そもそもの有休の定義から、買取が認められるケース、買取額などについて詳しく見ていこう。

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