2022.03.29
# ビジネス

年度末に「大量に余った有休」を会社は買い取ってくれるのか?32歳会社員が「直談判」した結果

木村 政美 プロフィール

未消化分の有休を買い取ることは可能か?

A上さんの有休申請に対してC山課長が時季変更権を行使したため、A上さんは令和2年の有休未消化分を買い取って欲しいと訴えたが、法律上この扱いは可能だろうか?

有休は労働者の心身を休め、ゆとりのある生活を送るために付与される労基法上の休暇である。企業が有休の買取をすることは、その趣旨に反するので原則はできないことになる。

【有休の買取が認められるケース】

ただし、例外的に次のケースでは、企業の有休買取が認められている。

(1)退職時に有休の未消化分がある場合
D園さんの例のように業務引継ぎなどで残余の有休が取れなかった場合、退職すると有休の消化ができなくなるので、労使間の合意があれば買取は可能である。

(2)法定日数以上の有休を付与している場合
企業が法定日数以上の有休を付与している場合、法定の有休日数を上回った分については買取が可能である。例えば、法定の有休付与日数が10日間の労働者に、12日間を付与をしていた場合、2日分の買取は可能となる。

(3)有休が2年の時効を過ぎた場合
本来時効により消滅するはずの有休を企業が買い取ることは、原則の場合と違い趣旨には反しないとされている。

A上さんの例だと、令和2年の有休未消化分に関してはこのケースに当てはまるが、実際には買取をするか否かは企業の判断になる。

(1)から(3)のいずれも、企業に有休を買い取る義務はないが、買い取る場合は買取額の算出方法と共に就業規則に明記が必要である。

 

【有休の買取額はいくらか?】

企業が従業員の有休を買い取った場合の買取額は、法律による定めはなく企業の裁量で決めることができる。1日あたりの買取額は、下記のいずれかで算出されることが多い。

〇月給÷その月の勤務日数
〇従業員の給料額に関係なく一律支給にする(ただし勤務形態によって買取額を変えている場合もある)

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