ドラマで見かける「マザコン疑惑」のあのしぐさは?

韓国ドラマでは、ご飯を食べている息子のスプーンに、母親がおかずをのせてあげるシーンが頻繁に登場します。韓国ではスプーンでご飯を食べるので、そのスプーン上のご飯にお母さんが箸で「これも食べなさい」とおかずをのせてあげるんですね。あとは家族で焼肉を食べているとき、お肉をサンチュでくるんだものを息子の口元まで持っていって食べさせるシーンもよく見かけます。

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日本では、大きくなった子どもに食事の介助はしないので、これらのシーン=マザコンと思ってしまう方が多いようですが、一概にそうとは言い切れないと思います。

実はどちらもマザコンとは違って、親から子どもへの親しみと愛情を込めた表現なんですね。ドラマでは、そうすることで「それくらい母親は息子のことを可愛いと思っているんだよ」という様をわかりやすく表現していているのだと思います。また、ドラマの場合、普通すぎる人物ばかりが登場してはドラマになりません。受験が絡む話では過干渉な親が登場した方がおもしろくなる。そういった「演出」もある、と思って作品を楽しんだほうがいいかもしれません。

Netflixでも人気のドラマ『その年私たちは』でもスプーンにおかずを乗せるシーンが出てくるが、優しい親子関係には理由があったりする。出典/公式サイトより(SBS)

第一私の母は、私のスプーンにおかずを乗せたりはしません。妻のJちゃんのお母さんもJちゃんの弟にはしないでしょう。じゃあ誰がどんなときにするかと言うと、うちの祖母は父にやってあげていました。父はもの静かであまりしゃべらない人なんですが、秋夕(チュソク。日本のお盆のようなもの)で親せき一同が集まったときの食事会などで、祖母は一生懸命父の世話を焼いていました。

祖母からすると、息子が可愛いからというより「久しぶりに会えてうれしい!」という気持ちからだったのだと思います。祖母自身はまったく食事に手を付けず、「私はお腹がいっぱいだからいいのよ」と息子に餌をあげるようにあれこれ構う。Jちゃんのお母さんも同じで、みなが集まったときに自分は何も食べず、海老の頭を取ったり、魚をむしったりして何かしら家族のためにしてくれます。韓国に帰国してJちゃんの家に遊びに行くと、私にもいつもそうしてくれますよね。

でも、Jちゃん曰く、私たちが一緒に住んでいたら、絶対にならないといいます(笑)。離れて暮らしているから、だから普段会えない人に久しぶりに会えてうれしいという気持ちの表れなんです。だってJちゃんのお母さん、私やお姉さんの旦那さんにはするけど、お父さんのご飯にはおかずをのせてあげないのですから(笑)。

シーズン3が待たれるドラマ『賢い医師生活』も忙しい生活の中で、面倒だけれど忘れてはいけない母親との関係の話も登場する。出典/公式サイトより(tvN)
『賢い医師生活』のオンマたち。左は、小児科医のアン医師のオンマ。右は産婦人科医のヤン医師の過干渉すぎるオンマ。対照的に描かれるオンマの人生観もおもしろい。出典/公式サイトより(tvN)