登場人物6人に、それぞれモデルがいる

――そこから『ホワイトカメリア』につながったのはどのような経緯なのでしょうか。

yasuna もともと本を作りたいなという思いが私の中にずっとあって、その願望をSNSで垂れ流していたんです(笑)。そうしたらその声をこの小説を担当した編集者さんが拾ってくださり、「何か一緒にできることがあれば」と声を掛けてくださいました。私としては画集を出したかったのですが、それは難しいと言われて(笑)。「だったら今、ある人と組んでマンガのようなものを書いているので、彼と何か一緒にできたら嬉しいです」とMIYAMUくんのことを紹介して、そこからですね。

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MIYAMU 僕自身も、ずっと本を出したいと思っていました。以前にも、僕がInstagramでやっている恋愛相談を見た別の出版社から「失恋処方箋みたいな本作りませんか?」「悪い男に引っかからない〇箇条みたいな本出しませんか?」と打診されたことがあるのですが、「そういう本は僕が嫌いなのでイヤです」と断っていたんです。

ちょうどその頃、僕が敬愛し、師と仰いでいる「燃え殻」さんが『ボクたちはみんな大人になれなかった』を出版されて、自分も書くならこういうものがいいなと思っていたのもありました。なので今回yasunaさんを通じてお話をいただいた際も、自分なりに最善を尽くして小説を書こうと。ただ、書きたい人物がたくさんいて、登場人物が多くなりすぎたのは反省点です(笑)。

バーに関しては、作中にも「citr0n」という店が登場するので、小説の着地と同時に本物のバーが出現したら面白いなと思いました。

――本書は通常の小説とは異なり、カバー装画をはじめ、挿絵が多く含まれていますね。イラストも合わせて小説として読む、という小説だと感じさせます。

yasuna イラストについては、MIYAMUくんと担当編集者さんと話し合いながら描くカットを決めました。登場人物全員それぞれにモデルがいて、私にはモデルになっている人たちがなんとなくわかっていたので、キャラクターで混乱することはなかったです。

MIYAMU モデルはすごく近しい人たちなので、読み終わった後で何か言われたらイヤだなあと、最初に「〇〇さんっぽい人として書いたけど、あなたのことではないからね」と断りを入れておきました(笑)。

(c)yasuna (c)MIYAMU/講談社『ホワイトカメリア』カバー装画

原稿の執筆は、仕事を終えた夜8時から明け方の4時頃まで。バーッと一気に書いて寝て、朝起きてzoom会議に参加する、みたいな生活でしたね。僕の場合、頭の中で登場人物が勝手にしゃべってくれるのを待って書くため、あとは自動筆記のように書き起こすだけ。書き始めたら意外とすんなり進んだので、執筆に費やした時間は2ヵ月くらいになると思います。

撮影/柏原力

◇こうして、「小説を書きたい」という入り口よりも、「落ち込んだ人を幸せにしたい」という入り口からスタートし、「イラストも合わせて読ませる小説」という『ホワイトカメリア』が誕生した。ではこの小説に多くの人が「響く」理由は何なのか。後編「7歳の時の母の言葉が…無名作家の初小説が多くの人に「響く」理由」で詳しくお伝えしていく。

ホワイトカメリア
SNSにて話題を集めるMIYAMUさんとイラストレーターのyasunaさんが共作で贈る、6人の男女のもどかしくやるせないラブストーリー。「誰かを本気で愛した途端、誰かの物語では悪者になる」「正論はときに暴力になる」「恋愛に、正しいも正しくないもない」――複雑すぎる現代を懸命に生きる、若者たちのリアルな恋愛。
【4月3日トークショー&サイン本お渡し会開催!】

4月3日(日)に開催される「小説『ホワイトカメリア』発売記念 MIYAMU & yasuna トークショー&サイン本お渡し会」に登壇予定。制作秘話が語られるイベントの詳細はこちら→
https://ameblo.jp/shibuya-tsutaya/entry-12731818326.html

構成・文/上田恵子