人から頻繁に相談を受けていたんです

――7歳の頃に母親から言われた言葉が残っていること、今も影響しているということにも驚かされます。そうして言葉に敏感になっていったのだと思いますが、「失恋バー」をしようと思うに至ったということは、それまでもよく人から相談を受けていたのでしょうか。

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MIYAMU 学生時代から相談を持ち掛けられることが多く、周囲からはよく「MIYAMUに言われると嬉しい」と言われていました。自分で言うのもヘンですが、根っからの聞き上手なんです(笑)。ただ、人の相談にのるのは好きだけど、自分のことはあまり話さない。と同時に、小中学生の頃からちょっとひねくれていて、褒められても真っすぐに喜べない子どもでした。

それは今も同じで、自分の作品に対して「面白かったです」と言われた時も、普通に「ありがとうございます」と返せばいいのに、つい「もっと頑張らないといけないということだな」と受け取ってしまう。自分に自信が持てないというか、「調子にのってはいけない」と思ってしまうのです。

そんな性格のせいか、千原ジュニアさんやハライチの岩井勇気さんのエッセイのように、斜め横から見て書かれたような読み物が大好きで。芸人さんのラジオも好きで、学生時代、勉強の傍らに聴いては「日々のあれこれをそこまで面倒臭くとらえなくていいのに」と爆笑していました。

初めて書く小説のテーマを恋愛にした理由は、普段から恋愛について相談されることが多かったこと、インスタで恋愛に関する質問を受けて回答していたこと。そして過去の恋愛遍歴のなかで悪い側もやったことがあるので(笑)、そういうものをすべて書き起こそうと考えたことにあります。僕には殺人サスペンスものは書けないし、書くなら自分が経験した範疇のことを書きたい。そのうえで綴りたいジャンルの言葉を散りばめるとしたら恋愛ものかな、と思ったんです。

撮影/柏原力